微睡みの中

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【#04. 雨音に包まれて】
雨は好きだ。
水の音に感情が見えるから。
繊細で私であっても、わたしであっても
皆平等に降り注いで寄り添ってくれる。


手すりや空から落ちてくるあなたは
何も言わずとも
「私」が触れるだけで
全て見透かされていて、それでいて
そっと受け入れてくれる



「私」の苦い悔しさも
「わたし」が「私」であるために落とした雨も
あなたは冷たいけれど、その冷たさが
「わたし」の心の色を反射させ、
包んでくれる

それは彼にも、あの子にも、あの人にも
私の色を殺そうとする殺人者にも____
平等に包んでゆく

あなたはヒーローであって
誰か1人を守るものではない


雨は好き。
でも、あなたは皆のヒーローであり、時に周りを巻き込んでしまう。
でも、あなたがいなくなると人々はあなたを求める。

"かわりえない" ものになれていて、受け入れられている






じゃあ、
わたしはどんなものになれるのだろう。

わたしだけを包んでくれる雨はどこにいるのだろう。

6/11/2025, 2:48:25 PM