椿灯夏

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12/26/2024, 1:06:23 PM

お題《変わらないものはない》


それは正論で、ある意味不透明だ。


まだきっと気づいていないだけ。


まだ出会ってないだけ。


でもそれは幸せな真実だ。


宝探しの果てに、美しい真実と出会えるチャンスがいくらでもある。


叶う、叶わないじゃない。


在るか、無いかじゃない。


さあ宝探しに出かけよう、道標のない旅路へ。

12/25/2024, 12:35:19 PM

お題《クリスマスの過ごし方》



北欧のふわっと柔らかなブランケットにくるまり、広げる物語。紙からたどる夢見の香は、子供の頃憧れた旅への冒険へ連れ立ってくれる。


スパイスが引き立つ林檎のジンジャーティー。


三日月が美しいクッキー。


サンタクロースからのお届けものは、赤金色の児童書とクリスマスのツリーが印象的な夢のあるクリスマスカード。



もうすぐ雪景色の中を駆けてくる。


星屑苺とサンタの砂糖菓子をのっけた大きなクリスマスケーキとハーブに彩られたチキンを抱えて、物語の主人公のように。

12/23/2024, 12:54:17 PM

お題《プレゼント》


「心のないプレゼントはいらない。そんなもの貰ったって嬉しくない――お前は、違ったんだな」



見抜かれていた。いつものようにデートして、雪化粧のように上手に幻想をかけたはずだったのに。


この男は、油断ならない奴だ。


「クリスマスプレゼント気に入らなかったかな、結構悩んだんだよ? はじめての恋人だから」



嘘を重ねてゆくのは、奇妙な心地良さがある。恋人は飾りで、嘘は極上のトリックだ。すべて完璧だった、今日のこの日を迎えるまでは。


「瞳を見てればわかる。だって俺は――瞳からわかるんだ、お前が見えてない風景が」


鮮やかにテーブルを彩るクリスマスのごちそうも色褪せて、夢は消えてゆく。



恋人だった、確かに。


真実は歪んでいく、知らぬところで、闇を咲かせて。


12/22/2024, 6:03:39 AM

お題《大空》




現実を生きていくためには《剣》が必要だ。


覚悟が切り開く。



現実を生きるためには《物語》が必要だ。


物語は遥か彼方遠くの果てまで飛べて、自分の世界に寄り添ってくれる一番の良き理解者だと思うから。



12/20/2024, 12:36:49 PM

お題《ベルの音》


霧がたちこめる最果ての駅の錆びれたベンチで沈黙する。


美しかった緑の庭園があった駅は、深淵の底にある。


どうしてこの物語を止められなかったのか。


どうして俺は。


俺は――《始まり告げる鐘》なのか。


俺はもうきっと――ここにはいられない。



まもなく扉が現れる。


駅を巡り続け、そこにある幻想を解かなければ。



彼女へと、辿り着くために。


彼女は、永遠にそれを望まないのだろうけど。


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