椿灯夏

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7/15/2024, 11:03:36 AM

お題《終わりにしよう》



蒼い鳥が詠うおとぎ話。


夢現、甘美な幸福に浸かる。



夢から覚める、一通の手紙。





《メメントモリ》



7/14/2024, 11:39:48 AM

お題《手を取り合って》






繋いだ奇跡は明日への道標。


涙は咲いて、散った命への誓い。



想いは、永遠に煌めき続ける星だから。





7/12/2024, 11:17:44 AM

お題《これまでずっと》



「俺と一緒に来るか」



錆びた街の片隅差し伸べられた手は、光の一雫のようだった。



凍てついた夜風が白い花弁を舞い上げる。青い月を背に佇む青年は――鳥の王だ。編み込んだ後ろ髪には、天青石の髪飾り。胸元を飾るのも、青く澄んだ宝石だった。


彼の肩には見たこともない鳥がとまっている。



「どうして? だってわたし、何も持ってないよ……」


「あるじゃないか。俺はお前の微笑った顔が好きだ、お前の奏でるハープの音色も歌も――全部好きだよステラ」


「――――っ」


もう呼ぶ人がいないその名は。


もう、誰も好きだと言ってくれないはずだった、それなのに。



この人は、あたたかい。



木漏れ陽のように。母が昔作ってくれたスープのように。


7/11/2024, 11:56:38 AM

お題《1件のLINE》



神隠しの杜。


そこは夏の記憶の中、忘れじの森。



貴女を待っている。



夏の記憶で。――でもそこに《季節》はない。






初夏に舞い込んだのは、忘れたくても忘れられない言葉の森だった。



7/10/2024, 10:41:17 AM

お題《目が覚めると》



春は過ぎ去り命が眠る冬になっていた。


『――おはよう』


旅人の言葉は、どんな言葉よりも優しく重たいものだった。



「……おは、よう」


沈んだ言葉が浮上するには、まだまだ時間はかかるだろう。それでも今、返したかったどうしても。



旅人は何も言わなかった。それでも確かに想いは伝わり繋がっていて、千年たとうが二千年たとうが、オレたちの関係性は何も変わらない。



窓の外では白い花が舞っている、まるでふたりを祝福するかのように。


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