月下の胡蝶

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6/27/2024, 4:26:26 PM

お題《ここではないどこか》







風花となって美しい季節の旅路を綴りたい。


日常の美しさを知るのなら、世界の美しさを識れ。

6/26/2024, 11:57:07 AM

お題《君と最後に会った日》



紅葉も散り始め、秋は終焉を唄い始める。


季節も不変じゃない。



だからこれは必然。



僕が引き止める術は、ない。




「ねえ」


彼女が歌うように言った。



「美しいだけが世界じゃない。でもね、残酷なだけが世界じゃないよ」



その瞬間すべての音が消えた。


彼女の笑顔が記憶に焦げつくように、傷をつけた。


6/24/2024, 3:53:14 PM

お題《四季録》



いつか終わる夢ならば――綴って、語り継がれる物語としてここに遺そう。


終えた世界の季節を。束の間の日常を。



春は数多の花弁の舟が水面を彷徨う。瞳を鮮やかに彩るその舟たちは夢を運ぶのだ、美しい春のみた夢を。


夏は琥珀の蝉、白炎の蝉、緑翠の蝉、風車の丘。とにかく珍しい虫や世界を朱く染める風車は見ものである。


秋には黄昏の花のエデンが広がる。紅茶とクッキーのワゴンがどこにいってもあるだろう、物語を綴る言の葉の森で織る物語はなかでも希少な存在。


冬には妖精がスノードロップを降らせる。その花で編んだセーターやマフラーはとてもいい花の香りがするらしい。どこの店に行ってもミルクティースタンドがある。ミルクティーは個性的で、中にはとても飲めたものじゃないものまであるとかないとか……。




いつか、誰かがこれを読んで、遠い遠い明日、これを聞かせてやってほしい。



こんな日々があったことを。

6/22/2024, 11:45:30 AM

お題《日常》


常春の町。


永遠の春。



桜の花弁が晴れ渡る空を游ぐ。その真下では楽しそうにはしゃぐ花弁を集める子供たち、屋台の花見酒のあまくやわらかい香りがして自然とお腹が減る。


冷蔵庫に向かい開けてみる、きっと何かあるはず……そう思ったが期待はずれだったようだ。


「花弁のジャムも星屑魚のソテーもニナの実サラダもないなんて、うそでしょ……!?」



食事はすべての者の原動力なのに。がっくりと肩を落としどうしようかと思案しかけたところへ、ベランダから重たい音が響く。


慌てて見に行けば――そこにいたのは、南天の実のように赤い髪の、翼をはやした少年だった。耳には羽根の形をした耳飾り。


「おい持ってきてやったぞ、感謝しろ」


偉そうな物言いに少しだけむっとする。


「朱里が連れ去ったんだから、面倒見るのは当然でしょ!」


朱里が持ってきた食べ物に感謝しつつ、言い返してやる。これくらいは、いいだろう。




今夜は朱里の好きなすき焼きにしようと心に決めて。




6/19/2024, 12:12:30 PM

お題《相合傘》





玉響の時を想い紡ぐ。



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