椿灯夏

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6/27/2024, 4:26:26 PM

お題《ここではないどこか》







風花となって美しい季節の旅路を綴りたい。


日常の美しさを知るのなら、世界の美しさを識れ。

6/26/2024, 11:57:07 AM

お題《君と最後に会った日》



紅葉も散り始め、秋は終焉を唄い始める。


季節も不変じゃない。



だからこれは必然。



僕が引き止める術は、ない。




「ねえ」


彼女が歌うように言った。



「美しいだけが世界じゃない。でもね、残酷なだけが世界じゃないよ」



その瞬間すべての音が消えた。


彼女の笑顔が記憶に焦げつくように、傷をつけた。


6/22/2024, 11:45:30 AM

お題《日常》


常春の町。


永遠の春。



桜の花弁が晴れ渡る空を游ぐ。その真下では楽しそうにはしゃぐ花弁を集める子供たち、屋台の花見酒のあまくやわらかい香りがして自然とお腹が減る。


冷蔵庫に向かい開けてみる、きっと何かあるはず……そう思ったが期待はずれだったようだ。


「花弁のジャムも星屑魚のソテーもニナの実サラダもないなんて、うそでしょ……!?」



食事はすべての者の原動力なのに。がっくりと肩を落としどうしようかと思案しかけたところへ、ベランダから重たい音が響く。


慌てて見に行けば――そこにいたのは、南天の実のように赤い髪の、翼をはやした少年だった。耳には羽根の形をした耳飾り。


「おい持ってきてやったぞ、感謝しろ」


偉そうな物言いに少しだけむっとする。


「朱里が連れ去ったんだから、面倒見るのは当然でしょ!」


朱里が持ってきた食べ物に感謝しつつ、言い返してやる。これくらいは、いいだろう。




今夜は朱里の好きなすき焼きにしようと心に決めて。




6/19/2024, 12:12:30 PM

お題《相合傘》





玉響の時を想い紡ぐ。



6/18/2024, 11:49:22 AM

お題《落下》


言の葉が支える世界の理から落ちてゆく。


世界の真実を識る者は。


知った者は。




――きっと同じ結末だ。




もう後戻りはできない。


もう日常には戻れない。



それでもきっと……。





「必ず、また帰ってくるよ。あなたの、もとへ」



今頃私がのこした、最後の言の葉に触れているかな。


……泣いてくれるかな。



きっと、大丈夫だよね。


それは、永遠とも刹那ともいえる、愛おしい時間だった。――大切な人を想うのは。


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