6/18/2024, 11:49:22 AM
お題《落下》
言の葉が支える世界の理から落ちてゆく。
世界の真実を識る者は。
知った者は。
――きっと同じ結末だ。
もう後戻りはできない。
もう日常には戻れない。
それでもきっと……。
「必ず、また帰ってくるよ。あなたの、もとへ」
今頃私がのこした、最後の言の葉に触れているかな。
……泣いてくれるかな。
きっと、大丈夫だよね。
それは、永遠とも刹那ともいえる、愛おしい時間だった。――大切な人を想うのは。
6/7/2024, 9:55:21 PM
お題《世界の終わりに君と》
災厄の稀代の魔法使いは永遠の炎でその身を焼かれる。
何にも持たない、ただひとりの少女と出逢い恋をした。
はじめての、春だった。
でも何もかも間違いだった。
彼女は落とされた、災厄の魔女として。
最後に目にした光景は、木漏れ陽の煌めきを咲かせた笑顔。
世界の終わりに君と瞳で約束を交わした。
6/2/2024, 7:27:46 PM
お題《正直》
凛と佇む姿。
文庫本を綴る指。
彼の瞳から差し込む青い木洩れ日。
そのすべてに、どうしようもなく引き寄せられたんだ。
5/27/2024, 11:40:33 AM
お題《天国と地獄》
廻りゆく歯車は語る。
人の縁と運命《さだめ》の物語を。
いつか、時からも記憶からも忘れ去られてしまう日がくる。
遠ざかる春。
忍び寄る冬。
あなたは、どれほどの覚悟と誠意を持って、生きているのと問われて。
それが真実なのだから、と。
5/26/2024, 11:21:19 AM
お題《月に願いを》
世界が零れ落ちてゆく物語。
夢見は、いつも朝霜に。
永遠を夢見た月に願う。
世界を巡りゆく、許可がほしいと。
物語を、変えることを。
月は対価を望み、それを空白の少女は受け入れる。
いつだって願いには、それ相応の呪いが必要だ。