私の感覚が
私の全て
私の人生が
私の価値
私が納得できる日々なら
上手くいかなかった日だって
それでも良いと思える
酸いも甘いも
日々を彩る
また 今日が始まる
運命には抗えない
そんな言葉がある
最初から そこを辿ることは決まっていたんだよと
どこかの誰かが諭してくる
あぁ、そうかい
僕はまた
誰かが敷いたレールの上を歩いているんだと
どこかで聞きたフレーズを思いながら
それでも進む足は止められず
いつか出会う君を待ち望んでいる
…なんて
それもどこかで聞きたフレーズ
これはデジャブ
知らないはずなのに
どこか知っている気がする
小さな頃から聞かされていた記憶
君が望むなら
同じ道を歩んでおいで
幼き頃に見た 大きな背中は
今は自分の幅とさほど変わらず
ここまで来たか と振り返って 笑いかけてくれる事を
僕は必死で望んで歩く
貴方に追いつきたい
やっぱり親子ね と
笑う母に
そうだよ、憧れなんだ と
無邪気に笑っていたあの頃から きっと
僕の行く先は決まっていた
暑い…
この焼けるような光
君が1番輝く今の時期
空には大きな入道雲が
視界の先の青色を隠そうと広がっている
記憶の中の塩素の匂い
肌にあたる水しぶきの心地良さ
照りつけられながら歩いたいつかの道
子供たちの笑い声
君を強く感じるこの季節だからこそ 思い出す
大人になった僕は 今日も暑い と1人ボヤく
君が隠れてくれればと思いながらも
この時間はやっぱりこうでなくちゃと
僕の中の小さな子供がはしゃぐ
今年は君が元気なうちに
水辺に遊びにでも行こうか
太陽、君を引き連れて
意識がゆっくりと覚醒していく
まだ目を開けたくない気持ちの中で
あ、また今日が始まったのか と理解する
身動ぎしながらゆっくりと 目を開ける
陽の光がぼんやりと
窓から透けて部屋の中へ入ってくる
起きたくない…また自分の日常が開始されてしまう…
日々 同じことの繰り返し
明るい時間を仕事場に盗られてしまう
つまらない日常
ん〜と思わず声が漏れる
身体が布団との別れを恋しがっている
ふと そういえば今日はあの人が復帰するよと
誰かが教えてくれた
ほら あの人
あの人が仕事場に来ると いつもの仕事場が
少し違って感じる事はない?と
君はだれ…
あの人をどうして思い出させるの でも
ほんの少しだけ
仕方ない、今日も仕事してやるか という気持ちにさせた
誰かの声はもう聞こえなくて
代わりに少し胸が踊るような 無邪気な子供がお出かけに誘われた時のような
そんな感覚が薄らと 自分の周りを取り巻いた
つまらない日々に
水を差す
平穏に波紋を広げる
それは 恋しがって離れられなかった布団と身体を引き離して
きっと新しい日々を魅せてくれる
散りゆくは
少しの 期待
この実が結んだ先には
想いの花の面影が
かたく かたく 口を閉ざして
ただ真っ直ぐに
夢をみる