手を繋いで」
新人「なんとなくgoo辞書を検索して間を持たせようと努力してましたが、ふと思い出しましたよ小学校低学年の遠足!」
部長(何故か吹き出す)
新人「3年生だったか、6年生だったか、おにいさん学年が連れ歩いてくれるんですが、手を繋ぐのが義務なんです。」
部長「皆まで言わずとも解るぞ…(ブフゥ
新人「知らん歳上と無理やり手を繋がされる両者は緊張のあまり汗がベトベトと、最早どこに行って何をしたかも覚えておらず、ただ無理やり繋がされた手がベタベタと気持ち悪いなって!」
部長「俺はその昔、おまえんちの学校区内に住んでいたんだよ。そしておれはお前の2学年上だ。
この意味がわかるか?」
新人「これは飛んだ地雷を踏んでしまいましたね!」
(両手を部長の方に差し出して非難から逃れるかのように、さながら押し寄せる波を拒むかのような仕草で部長に怒られるのを目を閉じて待ち受ける新人であるが、猫のようにギュッと目を閉じる新人が面白いので部長は黙ってそっと舞台を立ち去る。ひとり両手を盾にして雷が落ちるのを待ち続ける新人であった)
夢と現実」
最近区別つかないんですよね。
ええと、戦争に踏み切る独裁者がたくさんいる方の世界が現実でしたっけ?
私の夢の中では推しが歌を歌ってくれてそれは平和な世界なんですが…
これなんとかして逆に出来ませんかね?
部長「小さい事からコツコツと」
新人「独裁者の骨と推しの骨を少しずつ入れ換えるんですか?」
部長「お前時々頭のネジがキレまくってとこ、俺としては見どころがあると思ってるよ(堪らず吹き出す)
たくさんの思い出
「さわやまくんの思い出」
さわやまくんはいいひとです。
ちょっとせがひくくてすこしこがらで、おでこがひろくて、ていうかかくがりみたいになってて、あたまをさかさまからなでるとゾリゾリザラザラしていたくないサボテンみたいで楽しいです。
私が笑うとさわやまくんもわらいます。
さわやまくんがわらうと片方だけ八重歯があってネコのキバみたいにキラッと光るのです。
さわやまくんはいいひとなのでいつも怒ったりせず笑っています。
私はとくべつに沢山君と大親友じゃないけど、さわやまくんのこときらいなクラスメイトはいません。
わたしは時々からかいすぎたかな?と思うくらいさわやまくんの頭を逆に後ろからゾリゾリなでますがさわやまくんが怒ったことは一度もありません。
さわやまくんは良い人です。
だからさわやまくんが落っこちた弟を助けようとしていっしょに落ちてしまったのはしょうがないことで、さわやまくんだからやっぱりそうするだろうなあとわたしもおもうのです。
だからさわやまくんのおかあさん、さわやまくんをおこらないであげてください。
かみさまもさわやまくんのことがっかりしないであげてください。
さわやまくんはさわやまくんだったらかならずするだろうなあと思うことをしたので、わたしはさわやまくんにあったらたいへんだったね、がんばったねっていいます。
どうかだれもさわやまくんのことざんねんだったねって言わないでください。
3年2組 にしださちこ
はなればなれ」
「そうはなればなれた方が良いのだが、いつまで経っても慣れないねえ…」
「慣れませんか?」
「なかなか慣れないなあ…君まるで気にしてないよね」
「いい加減慣れましたよ…多少淋しいような所もありましたけどね。
…いやあ、ハルマゲドンで勝っちゃうとは思いませんでしたよ。いまや新人悪魔の私もそこそこの地位に成り上がってしまいましたよ!」
「俺はさあ、あくまでアンダーグラウンドでの抵抗者で居たかったの!わかる?サタン(抵抗する者)のロマンね!報われないとか!なんか悪そうとか!黒い革ジャン!ヤギのツノ!ヘヴィメタルとゴツゴツしたオートバイ!」
「ベルゼブブの認識ってだいぶ古いですよ。アプデしてください。今流行りはエコな殺戮!価値観の転倒!善良な悪と頭の固い硬直した善!シルクのような柔らかいガウンみたいなの着て羽をパタパタやってる奴は大体敵!そういう感じね!」
「おっ いま急にタメ口になったねお前!」
「価値観のアプデです。今や新人悪魔にも権利があり、ベルゼブブとも同等!お前呼びやめてね!」
「うっわやりにくくなったなあ…誰だよこんな世界作ったのはよう…あ、こないだのハルマゲドンで統領がやっつけちまったよなあ、シクったわー」
(特に落ちることもなく茶番劇は終わるが、怒ったパラレル世界のゼウスが雷を落としまくるので舞台はやがて焼け野原になる)
秋風」
新人『風が涼しくなりましたよね。ウチ猫、電気ストーブに当たり出しましたよ」
部長「ひとりで電気ストーブつけはしねえだろ、誰かつけてやってんだろ。例えばお前とか。」
新人「見方によればそうとも取れるかもしれない」
部長「そう以外には取れねえよ。おれんとこマロンちゃんはペット炬燵入ってるからね」
新人「部長んとこのイヌ!マロンちゃんて言うんですか!(クソデカボイスからの爆笑)」
部長(気まず気に)「笑うなよ…ペットにありがちな名前だろ…おやつとかの名前でさぁ。じゃおまえんちの猫なんて名前なんだよ!」
新人「ぶぶ漬けちゃんですね!(自慢そう)」
部長「出されたらそこで帰らなきゃならないの⁉︎」
(見遥かす舞台は黒く闇の川のおもて、そこに一陣の冷たい風が吹き渡り、ススキの銀の穂波が揺れれば既に海。ざわりざわりとうねり蠢き、しだいに新人と部長を乗せて花道を伝って無理やり退場させていく)