はなればなれ」
「そうはなればなれた方が良いのだが、いつまで経っても慣れないねえ…」
「慣れませんか?」
「なかなか慣れないなあ…君まるで気にしてないよね」
「いい加減慣れましたよ…多少淋しいような所もありましたけどね。
…いやあ、ハルマゲドンで勝っちゃうとは思いませんでしたよ。いまや新人悪魔の私もそこそこの地位に成り上がってしまいましたよ!」
「俺はさあ、あくまでアンダーグラウンドでの抵抗者で居たかったの!わかる?サタン(抵抗する者)のロマンね!報われないとか!なんか悪そうとか!黒い革ジャン!ヤギのツノ!ヘヴィメタルとゴツゴツしたオートバイ!」
「ベルゼブブの認識ってだいぶ古いですよ。アプデしてください。今流行りはエコな殺戮!価値観の転倒!善良な悪と頭の固い硬直した善!シルクのような柔らかいガウンみたいなの着て羽をパタパタやってる奴は大体敵!そういう感じね!」
「おっ いま急にタメ口になったねお前!」
「価値観のアプデです。今や新人悪魔にも権利があり、ベルゼブブとも同等!お前呼びやめてね!」
「うっわやりにくくなったなあ…誰だよこんな世界作ったのはよう…あ、こないだのハルマゲドンで統領がやっつけちまったよなあ、シクったわー」
(特に落ちることもなく茶番劇は終わるが、怒ったパラレル世界のゼウスが雷を落としまくるので舞台はやがて焼け野原になる)
11/16/2024, 12:56:46 PM