ノーネーム

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8/8/2022, 2:21:34 PM

蝶も花もなかったよ、僕には

絶えて枯れて散らばっていた記憶は
今もこびりついてるけど
愛でられた記憶はやっぱり無いみたい

だからあの日捨てた
自死を選ぶよりは、と

それが親不孝とでも?
実際子を捨てる親はあちこちに居るのに?


蝶よ花よと愛でられてきた君は
こんな僕でも受け入れてくれるんだろうけど
理解はできないんだろう


実際少し離れた所に居る君は
ちやほやされ愛し愛され
周りが理想とする幸せの形そのものだ

君は何のために愛でられて生きてるの?
そんな君を見てそう聞きたくなった

それは親のため?見せびらかすため?
それともそれが無性の愛ってやつ?

自分のため?には僕には見えなくて

今が幸せで楽しくてそのままでいいなら
僕は何も言わないけど

あの日あの場所で
猫柳の枝を粉々に折ってたのは
紛れもなく君で

分からなくなった
蝶よ花よのその束縛と
蝶も花もない無関心と

一体どちらが幸せなのかな?

8/7/2022, 1:00:41 PM

最初から決まってたんなら
教えてくれりゃ良いのに

過程はいらない
結末だけでいいから
ばらしてくれりゃ良いのに

そしたらいつも笑って生きてやるよ
抗うのもやめて 全部受け入れて
寿命を全うして笑って死んであげるよ

自分は特別だとでも思っていたんだろう
バカみたいだ だからこうなる

なんとかなるさ、って
自分を慰めるのにも
どうしよう、って
自分で追い詰めるのにも飽きてきた所さ


今ならどんな結末でも素直に聞けるよ
だから丁度いいや

最初から決まってたんなら
早く教えてくれよ結末を

8/3/2022, 11:52:44 PM


随分と淡く柔らかくなった部屋を見ていた
君の色しかない世界になった

置きっぱなしのライターも
黒のピアスもその他細々と散らばっていた
僕の物は全部僕のポケットの中

君の目が覚めるまでに、と

いつからだったかは覚えてない
気まぐれにそれっぽい言葉を吐いて、吸って
寂しい時だけのただの捌け口

そんなのいつか邪魔になる
それでも良かった、はずなのに

でもごめん、ギブアップ
それは恋でも情でも、ましてや愛でもない
欲だよ、ただの塞がらない傷の舐めあい

一番欲しい物が分かってしまった
多分君も気付いてる

だから暑くてうっとおしい
賑やかなこの季節ならいいと思った

酷いのは今更、寂しいも痛いもお互い様
でしょ?

一言書いたメモを置いてくよ
その綺麗な白いテーブルに

最後に見るのは
朝日が差しはじめたカーテン
目が覚めないふりをしてる君の背中

もう僕に縋ってこない、
言葉のいらない君の答えに
少しだけ手が震えたけど

君の目が覚めるように
前を向けるように
わざと音を立ててドアを閉めて


さよなら、

8/2/2022, 2:20:49 PM

個室の小さな病室で
一人で静かに喪った

一緒に死んでやれれば良かった

人殺しになってしまったんだと
本気で思った

救うはずの場所にいるこの自分が
異物に思えて仕方がなかった

なのに自分で絶つ力がどこにもなかった

あったのはただの無と虚

いっぱい泣いたらいいよなんて言われた
白い箱を見ても一滴も流れなかった

あぁ ついに人間でなくなったのだと思った
今のうちに誰か殺してくれと願った


それが3年前の11月半ばの事


誰も殺してくれないから
結局今日まで生き延びてるけど

今でも明日死んでもいいやって
思いながら生きてる

命を無駄にするなって
それは僕への軽蔑?君の理想?

喪った人にしか分からないもんがあるんだよ



8/2/2022, 5:54:37 AM

明日、もし晴れたら
海に行こう?

なんてベタなLINEがきたから
仕方なく来たけれど

僕は相変わらず夏は嫌いだから
日陰でやり過ごしていて

君はほんとに夏が好きだから
賑やかな波と仲良くしていて

そんな君をぼんやり見てた

日向と日陰のちょうど真ん中に
平行に線ができていて

僕と君の関係もこういうもんなのだろうかと
ふと思った

並んで歩く事はできるけれど
交わる事はできないんだろう

君はどこかで一本線を引いていて
僕はその線を越えれないでいる

好きなものは昔からお互い正反対で
なら君は僕の事嫌いなのかな

ぬるくなったサイダーは甘ったるくて
思わず顔を歪めた僕に
君は爽やかに笑いかけるもんだから

どこか期待してしまう
陽が沈んだ静かな海を
手を繋いで歩く日を


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