頼るのは嫌いだった
自分の事は自分で責任を
聞こえはいいが
結局自分しか信用してないのだ
そんな僕を見透かして
君は呆れて言ってたね
君は一人じゃないよって言われたほうが
強くも優しくもなれる
誰もほっとかない中で生きたほうが
人生いいに決まってるって
分かるよ、でもね
誰一人同じ生き方はできない
自分にしか来ない災難があって
自分一人で何とかしなきゃない状況は
終わりなくこれからも山ほど襲ってくる
その時一人じゃ何もできないって縋っても
君が望む通りにならない時が絶対くる
自分しか頼れない時が絶対くる
別に気取ってる訳でも
君の優しさを突っぱねてる訳でもない
現実は容赦ないよ 社会は冷たいよ
そうだろ?
自分の弱さを全部引っ張り出して
並べて眺めて ぐちゃぐちゃに混ぜて
少しでも傷が浅く済むように
最初はどんなに脆くてもいい
自分にしかない武器を作り上げなければ
そのためには一人でなければ無理だ
それは弱さでも逃げでもない
だから
だから、一人でいたいと思う。
うまれて初めて目を開ける
スタートは皆同じだったはずだ
きっと初めて見たものも
一緒だったと思うんだ
どこでズレた?僕達の景色は
同じ季節をこの目に映し
似たようなものを見て笑い
きっと流れる涙だって同じ色だった
一握りの者は澄んだまま綺麗になり
多くの者は血走らせて耐え抜き
悟った者は諦めて淀ませた
その違いはなんだろうか?
淀んだ世界には
何もかもが皮肉に見えてくるもんだよ
澄んだものには目を逸らして
でも閉じるわけにもいかなくて
僕にはそれが良く分かる
君もそうなってしまうのかな
できればならないでほしいな
なんだかんだ居心地は悪くはないけど
君には似合わないなって思うから
どんなに嵐が来ようとも
君は傘をさすのを諦めなかった
もはや原型のない傘の柄を
必死に掴んでいた
その小さな手だけは熱を失わないでいた
「諦めればいいものを」
僕はずぶ濡れで見ていた
抗うからしんどいのだ
ただでさえ荷物は雨で重たいのに
無性にイライラした
そうか
冷えた僕のこの手には何もない
だからか
不器用な強さでいい
君のような熱が欲しい
嵐が去った後の
君の瞳に映る色が見たい
神様が舞い降りてきて、こう言った
「あなたの寿命はあとこれくらい」
そう優しく言ってくれたなら
僕は思いっきり生きられるのに
願わくばその寿命は
短ければ短いほどいいなぁなんて
それはやっぱり綺麗事だろうか
命が終わりがあるからこそ美しい?
ダラダラ無駄に過ごした今日の
どこが美しいというのだろうか
きっと命の終わる日が分かっているから
美しいんだろうよ
僕が大嫌いなアレでさえ
儚く美しく見えてしまうもの
自殺願望がある生き物は
この世の中人間だけと言うなら
簡単に死ねるように創ってくれりゃ良かったのに
そしたら世界はもっと美しくなるだろうよ
分かってる
そんなの自分次第だって事
ここ数年非現実が日常になってしまったから
少し卑屈になってるだけだよ
言葉も知能も感情もアンタがくれたんだ
舞い降りてきて聞いてくれよ僕の隣で
くだらない愚痴と、ただの綺麗事を
誰かのためになるならば、と
そうして僕らは強くなってきた
それが僕らの生きている意味で
今ここにいるという存在証明で
ただその代償は
あまりにも孤独なのも事実で
「辛い」を何度も飲み込んだ
たまに吐いた「もうだめかもしれない」は
自分の手で処理をした
誰もいない所で泣く事も 眠れなかった日も
何度も自殺願望に負けそうになった夜も
そのうち「あぁ、またか」とただ身をゆだねる
たまに「いや、まだやれる」と身を捨てて
そうして僕らは大人になっていった
誰かのためにと今日も笑いながら
それが強さとか優しさとか周りは言うが
僕の場合
自分のために頑張る理由が見つからないだけで
ずる賢く紛れて生きてるだけだよ
これからもそうなのかは分からない
ただ「ありがとう」と言われた時の
あのふわりと心臓が揺れた感覚は
ずっと忘れないでいようと思う