ノーネーム

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8/2/2022, 2:20:49 PM

個室の小さな病室で
一人で静かに喪った

一緒に死んでやれれば良かった

人殺しになってしまったんだと
本気で思った

救うはずの場所にいるこの自分が
異物に思えて仕方がなかった

なのに自分で絶つ力がどこにもなかった

あったのはただの無と虚

いっぱい泣いたらいいよなんて言われた
白い箱を見ても一滴も流れなかった

あぁ ついに人間でなくなったのだと思った
今のうちに誰か殺してくれと願った


それが3年前の11月半ばの事


誰も殺してくれないから
結局今日まで生き延びてるけど

今でも明日死んでもいいやって
思いながら生きてる

命を無駄にするなって
それは僕への軽蔑?君の理想?

喪った人にしか分からないもんがあるんだよ



8/2/2022, 5:54:37 AM

明日、もし晴れたら
海に行こう?

なんてベタなLINEがきたから
仕方なく来たけれど

僕は相変わらず夏は嫌いだから
日陰でやり過ごしていて

君はほんとに夏が好きだから
賑やかな波と仲良くしていて

そんな君をぼんやり見てた

日向と日陰のちょうど真ん中に
平行に線ができていて

僕と君の関係もこういうもんなのだろうかと
ふと思った

並んで歩く事はできるけれど
交わる事はできないんだろう

君はどこかで一本線を引いていて
僕はその線を越えれないでいる

好きなものは昔からお互い正反対で
なら君は僕の事嫌いなのかな

ぬるくなったサイダーは甘ったるくて
思わず顔を歪めた僕に
君は爽やかに笑いかけるもんだから

どこか期待してしまう
陽が沈んだ静かな海を
手を繋いで歩く日を


8/1/2022, 1:57:34 AM


頼るのは嫌いだった
自分の事は自分で責任を
聞こえはいいが
結局自分しか信用してないのだ

そんな僕を見透かして
君は呆れて言ってたね

君は一人じゃないよって言われたほうが
強くも優しくもなれる
誰もほっとかない中で生きたほうが
人生いいに決まってるって

分かるよ、でもね

誰一人同じ生き方はできない
自分にしか来ない災難があって
自分一人で何とかしなきゃない状況は
終わりなくこれからも山ほど襲ってくる

その時一人じゃ何もできないって縋っても
君が望む通りにならない時が絶対くる

自分しか頼れない時が絶対くる

別に気取ってる訳でも
君の優しさを突っぱねてる訳でもない

現実は容赦ないよ 社会は冷たいよ
そうだろ?

自分の弱さを全部引っ張り出して
並べて眺めて ぐちゃぐちゃに混ぜて

少しでも傷が浅く済むように
最初はどんなに脆くてもいい
自分にしかない武器を作り上げなければ

そのためには一人でなければ無理だ
それは弱さでも逃げでもない
だから

だから、一人でいたいと思う。

7/30/2022, 4:15:14 PM

うまれて初めて目を開ける
スタートは皆同じだったはずだ
きっと初めて見たものも
一緒だったと思うんだ

どこでズレた?僕達の景色は
同じ季節をこの目に映し
似たようなものを見て笑い
きっと流れる涙だって同じ色だった

一握りの者は澄んだまま綺麗になり
多くの者は血走らせて耐え抜き
悟った者は諦めて淀ませた

その違いはなんだろうか?

淀んだ世界には
何もかもが皮肉に見えてくるもんだよ
澄んだものには目を逸らして
でも閉じるわけにもいかなくて
僕にはそれが良く分かる

君もそうなってしまうのかな
できればならないでほしいな

なんだかんだ居心地は悪くはないけど
君には似合わないなって思うから

7/30/2022, 3:27:21 AM

どんなに嵐が来ようとも
君は傘をさすのを諦めなかった
もはや原型のない傘の柄を
必死に掴んでいた

その小さな手だけは熱を失わないでいた

「諦めればいいものを」
僕はずぶ濡れで見ていた
抗うからしんどいのだ
ただでさえ荷物は雨で重たいのに

無性にイライラした
そうか
冷えた僕のこの手には何もない
だからか

不器用な強さでいい
君のような熱が欲しい

嵐が去った後の
君の瞳に映る色が見たい



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