「…どうすればいい?」
血を流して目の前に横たわる男は君の婚約者。
修羅場の揉み合いの末の…というわけだ。
「ひとまず救急車だ!早く!」
『死んでる…?息してないよ…』
「じゃあ警察か?とにかく早く!」
『警察が来たら何て言えばいいの!?私やってないからね』
「俺がやったっていうから」
『それも嫌!私たちの関係がバレたらどうすんのよ』
そうか。この女が考えているのは保身だけ。
どうせ俺のこともそのうち飽きるに違いない。
頭に登っていた血も、胸の奥もサーっと冷める感覚がした。
捨てるならいっそ、利用してから。
「お前の親父が持ってる山、立ち入り禁止のところあったよな」
『え?まさか…』
「俺はこいつを殺したことを隠したい、お前は俺が家にいたことを隠したい」
「なら共通する解決策は、これだ」
こいつ自体を隠す。
さあ、自分を守りたい君はどうでるかな。
俺に協力するか、全てを捨てる覚悟を決めるか。
『…どうすればいいの?』
あなたの宝物は何ですか?
そう質問されたとき、
即答できる人はどのくらいいるのだろう
少なくとも私は、できない側の人間である
幼い頃の宝物
キラキラひかるおもちゃの指輪
ともだちからの手紙
パパに買ってもらったアニメの変身グッズ
タカラモノバコに詰めていた、あるいは大事にしまっていたものたち
大人になってからの宝物
家族?
周りにいる大切な人たち?
時間?
どれも宝物のようで
どれもそうではないような
しっくりと来ない感覚
パッケージのかわいい化粧品やアクセサリー、
ブランドものを集めたくなる理由がわかる
見るたびにときめきをくれる
価値があることが共通認識である
わかりやすく"宝物"と言いたくなる
自分の手で稼いだお金でそれらを買うのだから、
さながらトレジャーハントである
私も、自分にとっての宝物を見つけていきたい
寒い。
何も見えない。
ずっと暗闇の中にいる。
己で身を溶かすことも出来ずに、
暗闇の中でただひたすら待ち続けている。
置物として映えるような見た目ではない。
火を灯すという本来の用途を満たさない私に、
存在意義はあるのだろうか。
ライターを向けられても炙られるだけ。
チャッカマンは熱すぎて耐えられない。
健気なマッチ売りの少女なんてもういない。
私が求めるのはただ一つ。
同じ体で同じ火力で灯るあなたに、
キャンドルサービスをしてもらうこと。
そっと寄り添ってもらうこと。
時間はかかるかもしれないけれど、
一度でも火がつくならば、
すぐに同じ火力に並ぶから。
私も火を分け与えられるキャンドルになるから。
思い出:過去の体験や経験、またはそれを思い出すこと。
想い出:過去の体験や経験、またはそれを思い出すこと。
対象に対して強い思い入れがあること。
こういう漢字の違いでニュアンスを使い分けることの出来る魅力的な人になりたい。
思考の一片を再構成する機会をくれて、
私の思い出を想い出へと昇華させてくれるこのアプリよ
ありがとう。
素敵な作品に出会ってもコメントは送れない。
どんな文章が求められているのか、反応の数で測ることが難しい。
時代と逆行しているとも言えるこの場を借りて
頭の中の一部を落としていく毎日をとても楽しんでいます。
私の拙い文章も、誰かに届いていますように。
学生時代の卒業アルバムを捨てるミニマリストの如く
思い出も想い出も捨ててリセットしたくなるいつかが来てしまうまでは、居場所であり続きますように。
冬になったら
乾燥でカサカサする。
暖房で喉が痛くなる。
静電気に怯えて過ごす。
冬になったら
今年はお気に入りのマフラーを着こなしたい。
マフラーの巻き方って200種類あんねん。
手を繋ぎたい。
あ、静電気大丈夫かな。
'寒い"を最大の言い訳にできる冬は意外と悪くない。
もし雪が降ったら
空気が澄んでいるように感じられる。
外の雑音を雪がぜんぶ吸い取って
好きな声がよく聞こえるようになる。
冬、まだかな