リーリエ

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8/3/2025, 12:50:50 PM

ぬるい炭酸と無口な君

炎天下の中、彼と夏休み旅行。
いまゆる青春?春ではないのでリア充と言っておきましょうか。絶賛リア充中です!
「………」
慣れない道に会話は無い。
無口な彼はただ前だけ見て歩いている。
暑さに言葉さえも奪われてしまったようです。

(まぁ私がここで声をかけても余計暑くさせるだけなので、そっとしときます)
暑いと愚痴を吐く事もない君に自販機で買った
サイダーを手渡す。君は、そのぬるさに疑問を抱かなかったのでしょうか。
「うわぁ!」
泡が溢れ返り、君は濡れている
「一泡吹かせました!やっと声を聞けました!」

ぬるい炭酸と無口な君
私が振ったからぬるいんですよ、それとも...
私の恋い焦がれる熱のせいでしょうか――

8/2/2025, 10:40:20 AM

波にさらわれた手紙

「今日も尊い、!」
どこの誰かも知らない人を好きになることを
『推し』という。

「大切なお知らせがあります。」
黒背景に白い文字。数字稼ぎなのかガチなのかなかなか読めないラインだ。
「今日で活動引退します」

『大好きだよ。ゆっくり休んで』
送信したお別れコメント。
悲しみの波にさらわれた手紙
「届かないのに…なんでコメントするんだろ」
どこの誰かも知らない人を好きになることを
「推し」というらしい。
推しとは罪深き生き物だ
波の中から見つけてよ
私のラブレター

8/2/2025, 3:15:42 AM

8月、君に会いたい

夏休みの盛り
別に外出の予定も気力もなく涼しい部屋と
親友になっていた。今時外に出るのは自殺行為にさえ思う。でもふと君に会いたくなった。

別に外出の予定も気力もなく涼しい部屋と
仲良しこよししている。
今時外に出るのは自殺行為。
まぁ案外死なないのかも。

帽子を被って外に出る。
クーラーと白い肌に別れを告げ君に会いに行く
暑さだけに囲まれて友達とは会わない
1人きりの8月、君に会いたい
君に会いたい――

7/31/2025, 11:18:27 AM

眩しくて

君はいつも輝いていた
私にはそう見えてたよ

みんなに可愛い子ぶって涙を流して
構って貰えて心配して貰えるなんて
「可哀想なわたし」が大好きなんてさ

眩しいよ

そんな風に好きになれたらね
でも私はそんな君が好きだったよ
憧れだったんだもん。憎悪に変わるなんて
思わなかったもん。ましてや殺意なんてさ

眩しい。眩しいんだよ。
目が痛いの。邪魔なんだよ。
眩しくて仕方ないの。

光なんていらないの
私は光の中にはいけない
だってもう未来なんてないんだから――

7/19/2025, 10:30:56 AM

飛べ

私は飛べない翼を持っている。その翼に飛ぶ事を望んだ事も夢見た事も無い。
「だってどうせ飛べないもの」

諦めながら路地を歩いていると1羽の鳥が
私と同様飛べない翼を持っていた。唯一
違うのは幼稚な所だろうか。鳥はずっと
飛ぼうと翼を羽ばたかせる。

(さっさと諦めた方が辛くないのに…。)
最初はそう思っていたけど次第に私の心も
子供のように野心を帯びた。
飛べ 飛べ 飛べ
その醜い翼に私は願った。まるで自分の羽に
語りかけるように。

「飛べッッ!」
強く願いをぶつけると、1羽の鳥は別世界に
羽ばたいていった。
(私も、飛びたかったな)
もう飛び方も忘れてしまったよ――

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