飛べない翼
ツバメ
君は美しい
飛べるかどうか知らぬまま
その翼羽ばたかせ飛べぬ才のない翼は
朽ち果て底へと落ちてゆく
飛ばぬが救いそんな訳もなく
飛ばぬ根性知らずは寒さに凍てつき
落ちてゆく
飛べない翼は落ちてゆく
だが落ち行く先が地獄だ
なんて誰が決めただろう
飛べなかろうと
飛べたかろうと
あるいは、翼が無かろうと
幸せか辛いかなんて決めるものじゃない
人も同じ
裕福だろうと貧しかろうと
天がどれ程優しかろうと
今がどれ程厳しかろうと関係無い
どんな肩書きがあろうと
幸か辛なんて定められる事などないのだ――
鏡の中の自分
自分でも危なっかしいよ。
相手を理解したい。
相手の理解者でいたい。
その気持ちはきっと誰にも負けない。
友達がリスカしてしまったと
苦しんでいたとき。私はリスカしてしまう
苦しみを理解するために、一瞬の躊躇いも
なくリスカをした。
親にバレたくない。
執着してやめられない。
そんな気持ち、理解できた。
それで、相手は満たされた。
でも一番満たされたのは私。
私は皆の鏡人形。
あなたと一緒。私は貴方の理解者だよ。
いじめられた?なら、私もいじめて貰うよ。
みんなに嫌われたって、なんともないよ。
死にたい?なら、私も死ぬよ。
死にたい気持ちも死ぬ未来も全部一緒。
相手に合わせないと。
そんなこと、思わなくていいよ。私が全部全部
合わせるから。そうすると私も満たされる。
だって、一番嫌われない方法だもの。
鏡の中の自分は、貴方たちのモノよ――
懐かしく思うこと
家から見えるあの小学校
電車のってバスのって通う学校とは全然違う
平日は7時起きで
ランドセル背負い
班の皆で登校する
数学じゃなく算数
宗教じゃなく道徳
美術じゃなく図工
全てがすべて変わってしまった
紅茶の香り
仄かに苦そうで、熱くて火傷しそうで、
上品なティーカップに入った紅茶は
舌にも身分にも合わない気がしてた。
ふぅっと湯気を飛ばして
新鮮な味をこの人生に刻んだ
苦そうと思ってた。本当に少し苦かった。
火傷しそうと思ってた。本当に火傷した。
想像通り私には合わない味。
作りたてのレモネードの方が美味しい。
それでも、その新鮮さをいいと感じた。
紅茶の香り。それは私に新しさをくれた。
遠い昔のそんなつまらない話を思い出しながら
私は熱い紅茶の入った上品なティーカップに
砂糖を2粒溶かしていた――
友達
他人、知り合い、友人、友達、親友、恋人
それぞれの境界線は一体どこなのだろう
人それぞれ違う。
そんな事はわかってる。それでも、突き止めたいと思うのが人の定めなのだ。
『友達』
それは、友人とどう違う?
それは、親友とどう違う?
それが透明となったとき
その境界線も暗黒なこの目に移るだろうか―――