⚜️リーリエ⚜️

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6/26/2025, 10:10:36 AM

最後の声

「……生きて…頑張って生きてね」

彼女の最期の声が僕の心を縛り付ける。
生きる呪いをかけられ、僕は独りになった。
「死にたい!彼女に…会いたい。」
そう苦し紛れに叫んでも彼女の呪いが
今日も僕を生かしている。

なんて残酷な呪いだろう。

辛いって一言だけで辛さを表せない時。
死にたいと言う一言でしか辛さを表せない。
だから僕は毎日死にたいと叫んだ。
でも心はどこか違っているようで、
「生きたい…君と生きたい!」そう叫んでいた。
そんな心が1本の糸を切った。

辛いって一言だけで辛さを表せない時。
死にたいと言う一言でしか辛さを表せない時。
そしてもう限界が来た時。最後の声が轟いた。

「君と…生きたかった。」
呪いを解く魔法の言葉―――

6/15/2025, 8:54:40 AM

もしも君が

もしも君が生きていたなら
私は君のためになんだってできた

「…だから生き返らせろと?」
現実はそう私の心を突き刺すように聞いてきた。
あぁそうだ。返してくれ。
喉が枯れるほどそう叫んだ。
でも「もしも」なんて叶わない時に使うもの
なのだと知った。静まり返った彼女の胸は、
もう鼓動を知らなくて。再び目を開けることは
無かった。

もしも君が…
叶わないなら無駄か...

6/9/2025, 10:45:27 AM

どうしてこの世界は

どうしてこの世界は薄汚く愚かな人ばかり
なのに、生きたいと思わせることができるのだろ

この世界のことは「恨んでる」なんて4文字で
表しきれない程大嫌いだ
でもなぜか惹き付けられてしまう

この世界を離れた者、旅立った者
やっと醜いこの世界からでることができたのに
祝福することができない。むしろ可哀想に感じた

もしこの世界から引き離されそうになったとき
私は迷わず「生きたい」と願うだろう

どうしてこの世界は
私を虜にするのだろう――

6/3/2025, 12:32:08 PM

約束だよ

「ずっと一緒にいようね!約束だよ!」
こんな分かりやすい綺麗事を私はどうして
信じてしまったんだろう…

いつ破られるかも分からない約束
「1人じゃないから」と糧にした
その約束が果たされないものになったとき
どれ程の苦痛と呪いを追うのかも知らずに

「ずっとなんて…軽はずみに言わないでよ、」
約束が果たせなくなった時、その嘘を信じた
自分を恨むことはできなかった。私に夢を見せた誰かのせいにしたかった。

「約束だよ」
そんな言葉はまるで呪いみたいに頭に残る。
心を蝕み不信を誘う悪魔の呪い。約束だといった君はこれから先私を1人にしたいのだろうか。

でももう1人じゃない
私は破れた約束をまた結んでみせる

ずっと一緒にいようね…約束だよ――

6/2/2025, 12:21:15 PM

傘の中の秘密

冷たい針が降り注ぐ梅雨時の帰り道。
傘の上で弾き踊る雨粒がポツポツと音を立てる。
雨の振らない傘の下で1粒情熱を帯びた雨が降る。

誰にも見られないように傘をしっかり握りしめて
現実から目を背ける様に俯いて大雨を降らせる。

伝い落ちるこの情熱は周囲には秘密にした。
強がって、諦めたなんて未熟な結末は誰にも
知られないようにそっと涙に込めて沈めた。

傘の中の孤独な秘密。雨に飲まれ消えてゆく
のに、まだ私の中で燃えている。
いつか燃え尽きる灰だけを求めて、
私は私に秘密を約束した――

傘の中の秘密

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