⚜️リーリエ⚜️

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7/19/2025, 10:30:56 AM

飛べ

私は飛べない翼を持っている。その翼に飛ぶ事を望んだ事も夢見た事も無い。
「だってどうせ飛べないもの」

諦めながら路地を歩いていると1羽の鳥が
私と同様飛べない翼を持っていた。唯一
違うのは幼稚な所だろうか。鳥はずっと
飛ぼうと翼を羽ばたかせる。

(さっさと諦めた方が辛くないのに…。)
最初はそう思っていたけど次第に私の心も
子供のように野心を帯びた。
飛べ 飛べ 飛べ
その醜い翼に私は願った。まるで自分の羽に
語りかけるように。

「飛べッッ!」
強く願いをぶつけると、1羽の鳥は別世界に
羽ばたいていった。
(私も、飛びたかったな)
もう飛び方も忘れてしまったよ――

7/8/2025, 9:24:03 AM

願い事

色とりどりの短冊が
笹の葉と共に揺れている

生ぬるい風が吹き
たくさんの願いが飛んでいく

このまま天ノ川まで届くといいな

紅色の短冊に書いた願いを何度も思い出し
ながら羽ばたく短冊を眺める

もう少し梅雨が続きますように――

「…急に暑くなっても困るからね。」

願いは案外安っぽいものだ

7/6/2025, 11:53:25 PM

7月6日
お題:空恋

7/5/2025, 10:44:16 AM

波音に耳を澄ませて

静寂な夜に、まるで自分しか存在していない
かのように思える暗い海岸で、
私は波音に耳を澄ませていた。

この夜に生きているのは私だけ――
自分と2人きりの孤独に、ある歌声が響いた。

ふと立ち上がり海の境界線をじっと
眺める。その歌声は海の中からやってきていた。

歌声は真珠のように煌めいていて
波風のように自由に生きている。
私はその歌声をただの空耳では無く、
特別にしたくて名前をつけた。
「人魚の歌声」と――

ほら、波音に耳を澄ませて
あなたにも聞こえるかもしれない
静寂の中で歌う人魚の声が――

7/4/2025, 11:19:51 AM

青い風

私と君の隙間でなびく
春の青い風は
焦がれるような熱さで
甘酸っぱい香りを漂わす

永久へ吹く青い風に乗って
君のもとへとたどり着けば
君も青い風に吹かれている

私は巡り巡る青春の日々の中で
愛言葉の風送りを続ける

時に追い風を受けて君の愛を
感じながら青い風を吹かせた

私に幸せを運んでくれた青い風
伸びた髪をからかって私は目を覚ます
夢オチに呆れる私の前に青い風が吹き抜けて
君の熱に焦がれた――

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