みゆき

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6/3/2025, 12:32:08 PM

約束だよ

「ずっと一緒にいようね!約束だよ!」
こんな分かりやすい綺麗事を私はどうして
信じてしまったんだろう…

いつ破られるかも分からない約束
「1人じゃないから」と糧にした
その約束が果たされないものになったとき
どれ程の苦痛と呪いを追うのかも知らずに

「ずっとなんて…軽はずみに言わないでよ、」
約束が果たせなくなった時、その嘘を信じた
自分を恨むことはできなかった。私に夢を見せた誰かのせいにしたかった。

「約束だよ」
そんな言葉はまるで呪いみたいに頭に残る。
心を蝕み不信を誘う悪魔の呪い。約束だといった君はこれから先私を1人にしたいのだろうか。

でももう1人じゃない
私は破れた約束をまた結んでみせる

ずっと一緒にいようね…約束だよ――

6/2/2025, 12:21:15 PM

傘の中の秘密

冷たい針が降り注ぐ梅雨時の帰り道。
傘の上で弾き踊る雨粒がポツポツと音を立てる。
雨の振らない傘の下で1粒情熱を帯びた雨が降る。

誰にも見られないように傘をしっかり握りしめて
現実から目を背ける様に俯いて大雨を降らせる。

伝い落ちるこの情熱は周囲には秘密にした。
強がって、諦めたなんて未熟な結末は誰にも
知られないようにそっと涙に込めて沈めた。

傘の中の孤独な秘密。雨に飲まれ消えてゆく
のに、まだ私の中で燃えている。
いつか燃え尽きる灰だけを求めて、
私は私に秘密を約束した――

傘の中の秘密

5/29/2025, 2:26:00 AM

さらさら

5/12/2025, 10:42:25 AM

ただ君だけ 

竜胆色の空模様を見つめていた。
その空模様と君に接点なんて無いのに、
どうして君を思ってしまうのだろう。

穏やかな風と共に時間が流れてゆく。
なのに僕の心はそんな風と平行に並んでいない。
風の平行線を超えて、胸を高鳴らせた。

ただ君だけを求めた。
でも君は同じ色の空の下を生きているのに
君の心は僕の色を失ってゆく。

後付けのように交わすキスは「サヨナラ」を
合図しているようで涙が溢れそうになる。
ただ君だけが欲しかった。
他じゃ満たせない愛を君に満たして欲しかった。
今日もまた君とキスを交わす。
僕の恋は続いているのに、まるでエンドロールも
過ぎてしまった気分だった。

ただ君だけは、新しい物語が始まったようだ――

5/9/2025, 10:12:52 AM

夢を描け

簡単な道程美しく見える私にとって
夢は季節のように移り変わっていくものだった。

「絶対に叶えたい」
そう思って情熱に溢れていたのに
気づけば叶えたい理由さえも忘れてしまった。

夢が夢に塗り潰される毎日が段々と変わった。
夢が白紙に塗り潰されてしまった。何一つ描け
なくなってしまった。鉛筆を落としたまま、
消ゴムを握り締めて、白紙に色が落ちれば
見つめるだけで消してしまっていた。

「どうせ無理だ」
この一言が私の鉛筆を踏みつけた。
ある日、夢の無い白紙をじっと見つめてみた。
すると白紙だった紙が色鮮やかに染まっていた。
諦められたと思っていた。でも夢と言うものは
諦められるものでは無かったのだ。

私は折れた鉛筆でその色をなぞった。
そして色鉛筆で夢を描き、消ゴムで
こすったって消えないように。
夢を描け――

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