12/8/2025, 8:57:09 AM
白い吐息
凍てつく空気が肺を凍らせる
かじかんだ喉から溢れる熱が
空へと霧がかる
君のぬくもりに優しく抱かれたら
気づく頃には私の吐息は輪郭を無くす
君の胸が凍てついた時は
私のなかに残る微小の熱で温めたい
それが叶わないとしても
白い吐息が溶けるまであなたの側に――
12/5/2025, 9:24:08 AM
秘密の手紙
誰にも届くことない秘密の手紙
私だけが知っている秘密の手紙
ずっと秘めていた想いを封筒に
溶けた蝋燭でそっと閉じ込めて
心のもっと奥の方に贈り届ける
誰にも届かない
誰もが知らない
私だけの秘密の手紙――
12/1/2025, 10:36:05 AM
凍てつく星空
揺れるバスに乗った帰り道
冷たい空気が流れだし窓に霧がかかる
四角い霧越しにぼけた景色を眺めてた
まるで曇った夜のようでなんだか空しかった
―――ポツ
冷たい雫が霧を裂く
空が泣いてしまった
窓に雨が伝い落ちる
雫が車の光に煌めいて
まるで星空のようで心の霧が晴れていく
窓に触れてみると冷たくて
手を離すと銀河が現れる
凍てついた雨粒
凍てついた星空
私の心をあたためてゆく――
11/19/2025, 9:00:37 AM
記憶のランタン
空っぽだった私の暗闇に
幾つものランタンが灯る
忘れたがった後悔は一番眩く光る
粉々にして無かったことにしたい
そんな力も無い私は今日も
後悔のランタンに閉じ籠り
後悔の火に焼かれるまま――
11/17/2025, 12:31:32 PM
冬へ
木々はまだ夏の余韻に浸るまま
季節はすっかり秋を忘れる
冬へ散る木の葉は珍しく冬を見たようで
冬の準備をする我々を初めて見下ろしている
冬はまた私には寒さを教えて
別れと出会いの準備を手伝ってくれる
ちゃんと桜を見上げて笑えるように
私は急ぎ足で冬へゆく
ちゃんと秋を忘れず大切にしながら
私は駆け足で冬へゆく