霜降る朝
朝は苦手。夏も冬も関係ない。
でも寒いと起きるのがもっとキツくなるから、
朝はいつも少し暖かくなった時間に家を出る。
でも今日は何故か早くに目が覚めた。
二度寝もなんだかできなくて、
仕方なく体を起こしてストーブをつける。
市販の缶コーヒーをコップへ注ぎなおし、牛乳も入れ、
無糖ラテをつくる。
ブラックのままでも美味しいけれど、
今日は少し贅沢に。
沢山服を着込んだあとは、
少しだけ窓を開けて朝の匂いを嗅ぐ。
「冬らしい匂いだ」
朝は苦手。夏も冬も関係ない。
でも寒くなった朝に飲む無糖ラテ、
ストーブの何とも言えない匂い。
冬らしい朝もたまにはいいと思う。
心の深呼吸
君の前に立つといつも少しだけ緊張する。
それは多分、君に嫌われるのが怖いからだ。
わかっている。
君は人を簡単に好いたり嫌ったりしない。
でも。
だから怖い。
気づかないうちに嫌われて
ハブられてしまうことが昔もあった。
どんなに顔色を伺っても
一度間違えばそれで全てが終わってしまう。
嫌われたくない。
君には嫌われたくない。
「大丈夫だよ」
私の心を読んだかのように君がそう言う。
「大丈夫、明日も明後日も多分晴れ」
あぁ、一緒に出かける話をしていたんだった。
「じゃあ折角だし2日とも遊びに行く?」
「えー!行きたい!」
ビデオ通話で映る君の顔は笑顔でいっぱいになった。
「ふふっ」
「どうしたの?そんなに笑って」
「私ね思うんだ。貴方といる時すごく幸せだって」
「だからね、大丈夫だよ。ずっと一緒!」
君の笑顔が眩しくて、
少しの深呼吸をした後、一番の笑顔で笑った。
冬へ
冬は嫌いだ。
寒いし、クリスマスはぼっちだし、
年末は大掃除があるし、正月は親戚の集まりまで。
それに、私の誕生日もある。
誕生日は嫌いだ。
冬生まれだと何かと遅くて苦労する。
そして、誕生日を迎える度に大人に近づく。
大人は嫌いだ。
嘘で取り繕って笑顔を作る。
まるで自分たちだけ辛いみたいな顔をして。
私たち子供を見下して、羨ましいなんて戯言を言う。
そんな人に私もなってしまう。
だから誕生日もそんな人に近づいていく冬も嫌いだ。
でも、なりなくないから。
大人になんてなりたくないから。
この冬が一生続いて春なんて来なければいいと思う。
時を止めて
無心で学校へ向かうためのバスに乗る。
何か考えると行くのが嫌になってしまうから。
いつからだろう。
友達との会話を愛想笑いで流すようになったのは。
いつからだろう。
家族と食事をするのが嫌になったのは。
いつからだろう。
声を出さず泣くようになったのは。
学校に行くのが怖い。
でも行かないわけにはいかなくて。
どうせバスに乗れば引き返すことは出来ないから、
乗ってしまえばなんて事ない。
ただ耐えるだけ。
止まることの無い『時』に今日もまた苦しめられる。
光と影
君が光ならば僕は影なのだろう。
光が差せば影ができる。
逆に光がなければ影はできない。
それは当たり前のことで、
僕と君が二人でひとりであることも、
君がいなければ僕は居ないということも、
同じように当たり前なのだ。
君がどう思うかはわからないけれど、
僕は君の影として君を君の1番近くで見ていたい。
どうせ僕は君がいなければここにいないのだから。