誰よりも、ずっと見てきた。いつのころか、とても嫌っていることに気付いた。嫌いで仕方がない。時々、すごく責めて、いじめてしまう。
思うようにならないから。理想とはまったく違うようにしかできないから。でも、そんなことを重ねていると、よくないとさすがに思うようになってきた。
大切でもある。守らなければならない。誰よりも、ずっと付き合っていかないといけないのだ。仕方がない。これが自分なのだから。
「誰よりも、ずっと」
生きているうちに、これからもずっと続くのだろうと思っていたのは、幻想なんだと気づいてくる。色々と変わってきた。ああ、この状態がずっと続いたらいいのにと思っても。
友達だって、好きな人だって。世の中も。ずっと同じなんてことはなかった。何かと変わっていく。その変化に、一生懸命、意識していなくてもしがみついていく。時には、何だか疲れると思うこともある。
でも、変わり続けるから良い事もあるのかもしれない。よくない状態だって、変わるかもしれないのだから。変わるからこそ面白いのだなと思えたりすると、ちよっと大人になった気がする。
「これからも、ずっと」
桜が満開だった。ところどころに黄緑色の新芽も混じる。ひらひらと落ちる花びらも美しく、桜周りが、にぎやかだ。ふと見上げると、傍の建物の上から見ている人の、いくつかの頭が見えた。
桜が見えるのかもしれない。上がってみることにした。最上階にあるテラスのようなところに出ると、以外と下が見にくい造りになっていた。真下にある桜は、見ることができない。
代わりに、真正面に大きく夕日が見えた。遠くの山あいにちょうど沈もうとしている。
飴色の夕日は、今日一日の色々なことを、ザバーっと、のみこんだかのようだ。それをすべて流すかのように、山あいにトロトロと溶けていく。
「沈む夕日」
何となく目で追ってしまう。君がいるところを見てしまう。でも、目が合ってしまうと大変だ。すーっと吸い込まれそうな気がするから。
だから、目を合わせてはいけない。口にすることがいつも本当だとは限らない。つい、嘘ばっかり言ってしまう。気持ちを気付かれるのがこわいから。
君が写真を撮るという。レンズの奥の目を見る。レンズ越しなら、大丈夫だ。じっと見る。君が少し慌てた感じでいる。
人の本当の気持ちなんて、わからない。君の目にはどう映っているのだろう。
「君の目を見つめると」
家にいるのが、いたたまれなくなって、思わず外に飛び出す。ぱっと、夜の匂いに包まれる。夜には独特の匂いがある。人があんまり出歩かなくなったら、入れ替わるように植物たちが醸し出すような匂いがある気がする。
少し歩くと公園がある。灯りが遊具や置き物に陰影を作り、土の地面に無数の足跡があった。ザクザクと土を踏んで、手前のベンチに腰掛ける。
奥にある桜の木が満開で、薄ピンク色にぼんやり光っている。下もうっすらとピンク色だ。上を見ると星がチラチラしていた。
イライラしてもどうしようもないことは分かっている。星は、ずっとただただ揺れている。そのままぼんやり見る。夜は感傷的になっていけない。でも、少しだけ心が軽くなってきた。
「星空の下で」