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10/17/2025, 8:47:05 AM

 小さいころ、星のことを習うとき、初めて星図を手にした。星を見るのは、とてもロマンチックな気がして、わくわくした。
 
 星図を手に、一生懸命夜空を見上げた。カシオペヤ座、北斗七星など星の形をたどる。うっすら瞬いて、見えにくいものもあったけれど、なんとなくあれかなと目星をつける。
 中でも、オリオン座の三つの点は見つけやすかった。キンと冴えた冬の空で、オリオン座は思いのほか大きかった。しばらく夜空を見ると、星座を探すのがクセになっていた。

 大人になってからは、あまり星座を探さなくなった。空が明るくて、星が見づらくなったからかもしれない。そういえば、あんなに大切にしていた星図は、いったいどこにいったのだろう。


「消えた星図」

10/16/2025, 7:21:18 AM

 愛から恋を引くと、愛?
愛があるから恋があって、恋があるから愛がある。そんな気がする。

 人間の根底には、愛があると信じたい。
 恋は、そのなかのスパイスとなって、愛に更なる深みを与えてくれる。それがうまくいこうといくまいと、または、とんでもないものに形を変えようとも、いずれは愛が残る。
 何なら、生きていること自体が愛なのだと思ってみたい。


「愛ー恋=?」

10/15/2025, 8:41:09 AM

 子どもの時読んだ何かの昔話で、喉の渇きを癒すために梨を食べるというくだりがあった。梨は、確かに水分が多いけれど、飲み物ほどではない。果物の味と甘みがあるし、かえって喉が渇かないかななんて思っていた。

 スーパーで少し安くなっていたので、梨を買った。なんだか味がぼんやりしている。ほとんど甘くもない。でも、口の中いっぱいに果汁が広がってくる。ほぼほぼ水分だ。ああ、これなら水分補給になりそうだ。もしかしたら昔の梨は、もっと素朴で、そんなに甘くなくてひたすらジューシーだったのかもしれない。

 季節のものは、きっと身体にもいいのだろう。その瑞々しさが、隅々まですーっと染み渡る気がする。たくさん食べたいのだけど、果物の値段が高めなのが、ちょっと残念だ。


「梨」

10/14/2025, 8:25:14 AM

 もうこれ以上は、どうにもならないだろう。ねじれたものは、もとに戻らない。
 
 リセットしよう。新しい世界へ行こう。わかりやすい悲しさや、寂しさなんて、もうずいぶん前のものだ。ねじれたまま、それが当たり前のように進んできた。今はむしろ、お互いそんな状態がよかったのだろうという気さえしてくる。

 後悔はない。ああするのが、お互いのベストだった。すべてにありがとう。もう次へ進もう。鼻歌を歌うように軽く通りぬける。
さあ、さようなら。


「La La La GoodBye」

10/13/2025, 7:10:13 AM

 いつのまにか、すっかりねじれてしまった。お互いがんこだから、そのまま突き進んでしまう。なかなか折り合ったりしない。でも何かの拍子に、ふっとねじれが解けることがある。うわっと気持ちがかみ合った気がして、もう最強かなというくらい盛り上がる。

 このままうまく流れていくと思っていたら、なんだかまた少しずつねじれていく。ぐるんぐるんとねじれて、もっとややこしくなってくる。ちょっと素直になる機会さえ、もうよく分からない。そんなことが繰り返されていく。
くるくる、くるくる、どこまでも。


「どこまでも」

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