小さいころ、星のことを習うとき、初めて星図を手にした。星を見るのは、とてもロマンチックな気がして、わくわくした。
星図を手に、一生懸命夜空を見上げた。カシオペヤ座、北斗七星など星の形をたどる。うっすら瞬いて、見えにくいものもあったけれど、なんとなくあれかなと目星をつける。
中でも、オリオン座の三つの点は見つけやすかった。キンと冴えた冬の空で、オリオン座は思いのほか大きかった。しばらく夜空を見ると、星座を探すのがクセになっていた。
大人になってからは、あまり星座を探さなくなった。空が明るくて、星が見づらくなったからかもしれない。そういえば、あんなに大切にしていた星図は、いったいどこにいったのだろう。
「消えた星図」
10/17/2025, 8:47:05 AM