子どもの時読んだ何かの昔話で、喉の渇きを癒すために梨を食べるというくだりがあった。梨は、確かに水分が多いけれど、飲み物ほどではない。果物の味と甘みがあるし、かえって喉が渇かないかななんて思っていた。
スーパーで少し安くなっていたので、梨を買った。なんだか味がぼんやりしている。ほとんど甘くもない。でも、口の中いっぱいに果汁が広がってくる。ほぼほぼ水分だ。ああ、これなら水分補給になりそうだ。もしかしたら昔の梨は、もっと素朴で、そんなに甘くなくてひたすらジューシーだったのかもしれない。
季節のものは、きっと身体にもいいのだろう。その瑞々しさが、隅々まですーっと染み渡る気がする。たくさん食べたいのだけど、果物の値段が高めなのが、ちょっと残念だ。
「梨」
10/15/2025, 8:41:09 AM