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8/18/2025, 9:53:21 AM

 夏は短い。子どもの頃はそんな気がしていた。夏休みに入って夏の本番が始まったかと思えば、お盆をすぎた途端、夏の勢いが弱まっていた。

 でも、今は夏が長い。早くから夏日が始まり、お盆を過ぎても猛暑が続く。この暑さはいつまで続くのかと思う。暑いというだけで、エネルギーが奪われる気がする。涼を取りながら、なんとかやりすごす。

 そんな中でも、吹く風の中に一筋すーっと涼しい風が混じることがある。あっと思う。真夏の風とも違う秋の気配がする。
 相変わらず暑い夜、体にまとわりつくような湿度の中で、秋の虫の声が聞こえてくる。変わらない暑さのようだけど、しっかりと次の季節へ移り変わろうとしている。
 もう少し夏をがんばろうと思う。

「終わらない夏」

8/17/2025, 7:14:41 AM

 歩いていると、後ろから頭の上を何かがふわっと触った。何?と思うと、通り過ぎていくハトが見えた。飛びたったハトの羽が当たったらしい。
 
 ハトにからかわれたのか、距離を読み間違えたのか? 遠くへいくハトを見ながら、自分の力で自由に飛べる感じはどうなのだろうと思う。

 ずっと続く空のその先。飛行機で空へ行ったら、下に雲が見えた。いつも見上げていた雲が下で漂っている。雲の上は快晴だった。下からは見えなかったまぶしいくらいの真っ青な空間を突き抜けていく。
 
 そして、まだまだその先にも空が続く。そんな中にいるちっぽけな自分を思うと、些細なことなんてどうでもよくなってくるのだ。

「遠くの空へ」

8/16/2025, 8:05:39 AM

 ゲーブルカーで山を登るのが好きで、機会があれば乗ってみる。山頂の展望台で、景色を眺めるのもいいけれど、このしだいに上がっていく感じがいい。
 
 人の足では追いつかない速度で進む中、登る斜面のきれいな緑や山肌を見たり、下の街の景色を眺めたりとあちこちに目を向ける。そして、遠くの街が一望できるくらいまで上がると、空と下界が一つの世界になる。うぉーと思う。!をつけるのでは、なんだか軽い。もっと心が動いている。
 
 箱根のゲーブルカーで上がった時、山を一つ超えると、目の前にどーんと富士山の先っぽの美しい形が見えた。思わず、わぁーっと声がもれた。
 それはやっぱり、!じゃ全然足りない。


「!じゃ足りない感情」

8/15/2025, 7:09:20 AM

 君が見た景色は、多分間違っている。
思ってもいない言葉と態度で、あたかも真実のように始まった現実は、そのまま続いてしまった。

 何とか変えようとしても、それは、綿の海を転がるかのようにくるくると大きくなっていった。その固まりから、すーっと糸を引き出して、ネジれたものを少しずつほどいていく。でも、その下のほうからまたネジれてしまう。

 それを繰り返して、絡まりながら必死にもがいていた。だから、君が見た景色は、真実ではない。


「君が見た景色」

8/14/2025, 9:04:43 AM

 思いを言葉にしようとして、なにを選んでいいのか分からない。色々と浮かぶ言葉はあるけれど、違う。これも違う。焦れば焦るほど、言葉はバラバラになって出ない。沈黙が積み重なる。
 
 言葉がない空間は、余白が生まれる。その余白が層をなして不思議な深みになる。その空間に思いだけが漂う。
 
 きっと言葉にしたほうがいい。
でも、たまにはそんな空間にいるのもいいかもしれない。
 

「言葉にならないもの」

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