aeru

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10/3/2022, 10:53:55 AM

孤独とはあたたかいものだ
誰にも傷つけられず、また誰も傷つけることがない
そうやって私は、全ての人から隠れてきた

触れられたくない心の深い場所
図書館のように膨大な量の思い出をしまいこんで
毎日過去を辿りながら、たった一人で

孤独とはあたたかいものだ
それでいて、ひどく物悲しい場所だ



私に気持ちを向けてくれる人がいるのなら
そんな人が現れてくれるなら

私の世界に踏み込む人がいるなら
私に、廻り逢う運命の人がいるのなら

そんな期待を捨てきれない私は

愚かなのだろうか

10/2/2022, 4:53:04 AM

窓の外、広がる街並みをうつろに見つめて
そうやってたそがれていても
何も変わらないというのに

胸のあたりでこわばった恋心
はりつめ、いつか切れてしまいそうな良心

あの人の好きな人だから、傷つけてはいけない
そう分かっていても

隣にいるあの子の柔らかい笑顔が
平原に吹く風のようになめらかな声が
ヒールをはいている時によたつく足元が

全てが不快でしかたない

窓の外、広がる街並みをうつろに見つめていても
結局何も変わらないというのに

それでもただ

たそがれつづける

9/30/2022, 10:09:29 AM

まだ終わらない時間の波間

触れることもなく
また離れることもない距離

文字と声
わずかな紫煙のやりとりを重ねて

心地いいとはいえなくとも
楽な関係


きっと明日も

変わらずに


ただ、変わらずにいてくれたら

9/29/2022, 7:02:04 PM

「うん、うん・・・来週にそっちに行くから」
受話器越しに、あなたの声が聞こえる。
まるで波のように柔らかく、鈴を転がすように笑って私の心を癒していく。間接照明が照らす造花は生花のように生き生きして見えるし、光を反射する時計のガラスも夜景のように綺麗に見える。薄暗いだけのマンションの一室もどこか心地よく、私をとりまく世界の全てが暖かいものに思えてくるのだ。



「じゃあ、おやすみ」

「・・・うん、おやすみなさい。」

そう呟くと、無情にも通話が切れる。
1時間以上話していたのだ。緊張とどぎまぎした気持ちが途切れ、私は小さなため息をついた。少し目を閉じて、しばらくの後目を開ける。するとそこには、やはりいつも通りの部屋が広がっていた。間接照明の下、テレビ台の上に置かれたかすみ草の造花。アンティークの時計。全てがいつもと変わらない。あなたの声が消えた部屋は、日常よりも少し寂しく、物足りない。

あなたが残した孤独な静寂だけを、ただひたすらに感じていた。