たまに見かける犬と猫と鳥なんかがなかよく暮らしてる動画。
特に鳥がいるとひやひやしちゃうけど
かわいい祭りで癒されちゃうんだよな。
毛づくろいしたり
いっしょに眠ったり…。
「仲間」
ある晴れた日に
手を繋いで川沿いを歩こう。
それで 今まであったいろんなことの話をしよう。
「手を繋いで」
部屋に飾られた霞草のドライフラワーを抱える。
「今までありがとう。」
せめてもと紙袋に包んで捨てた。
霞草の花束は、センスのないあいつから贈られた一番嬉しかった贈り物。
かわいくて、気に入ってた。
でも、ごめんね。
見てるとあいつを思い出しちゃうから…
「ありがとう、ごめんね」
「ああ、もうだめだ…
もうだめだ…」
「どしたん?」
ダーニーが言いました。
「聞いてしまったんだ…
今までなんとか見つからずここでやり過ごしていたけれど…
今度大掃除をするんだって!」
「ああ…」
「もうだめだ!!」
わっ、とわたぼこりんが泣き出しました。
「そうなんだー。ぼくは見つけてほしいんだけどな。」
そばにいたキラキラのスーパーボールが言いました。
「ぼくは夏祭りのすぐ後からずっとここにいるんだよ。
夏祭りの時はぼくを手にとってよろこんでいたから、
ぼくを見つけてくれたらきっとよろこんでくれるんじゃないかなー。」
「それはどうかな。」
冷たい声がしました。
「お父さんかお母さんに見つかっちゃったら捨てられちゃうんじゃない?
きみを手にしてよろこんでたのはどうせこどもたちだろう?
でもこどもたちなんて掃除のじゃまはしても手伝いなんてしないだろう?
だからきみは捨てられるのさ!」
自暴自棄になったわたぼこりんの八つ当たりです。
「そ、そんな……!」
キラキラスーパーボールもわたぼこりんといっしょに泣きはじめました。
「やれやれ…」
「ダーニーはどうしてそんなに落ち着いてるの?」
「そうだなあ。
ぼくはどうせ寿命が短いし?
そーゆーのはどーでもいーかな。
まあ、ほら。
けっきょくだれにも見つからないって可能性もあるんだし。」
「そんなのいやだ!
ぼくは、見つかってほしい!」
スーパーボールが言って、また泣きました。
うわああああ。
部屋の隅ではわたぼこりんとスーパーボールの泣き声が。
やれやれ。と頭を掻きながら、大掃除になったらどこに行ったら見つかりにくいかな。と考えるダーニーなのでした。
「部屋の片隅で」
「ま…さ、か…逆…さま
ま…さ、か…逆…さま」
人混みの中、変な声が聞こえてゆっくり振り返る。
見ると、まるでくるみ割り人形みたいな見た目の男が、首をコキコキ傾けながら呟いている。
「ま…さ、か…逆…さま
ま…さ、か…逆…さま」
この男の顔は逆さにしても騙し絵みたいに別の顔になりそうだ。などと思う。
コキッ、コキッ
斜め後ろの方がなにやら騒がしくなる。
そちらを見ると人混みができている。
(なんだろう…。)
人々の目線の先を見ると、高い建物の上に人影が見えた。
女の人だ。
屋上の手すりから外に出てしまっている。
人々は
「やめろ───!!!」
「早まるな────!!!」
など叫んでいる。
「ま…さ、か…逆…さま
ま…さ、か…………」
くるみ割り人形男もそちらを見た。
コキッ
その瞬間、どうやったのか、くるみ割り人形男は屋上にいた。
(えっ!!?)
そして、
「まっ逆さま!!!
逆さま──────!!!!」
とものすごい顔で言い、女の人を突き飛ばした。
ドンッッ
最悪な音がして、人々は呼吸を止めたように静かになった。
沈黙の中、この冬初めての雪がちらつきはじめる。
広がる赤い血に落ちては溶けていく。
沈黙の中、上空を飛ぶ飛行機の音だけがする。
ゴオ──────ッ
コキッ
男が上空を見る。
「ま…さ、か…逆…さま
ま…さ、か…」
「やめろ…………」
青い顔の俺は呟く。
「逆さま」