sunao

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12/6/2024, 12:25:24 AM

眠れないほど
おかしくなっていきそうだ……

ここ何日も眠れてない。

よく眠れたって思ったのはいつだっただろう。


眠れないからふらふらと夜に繰り出す。

部屋着にコートやマフラー着けて。

夜の真っ黒な町を歩いていたらいつか疲れて眠くなるだろう。

布団の中で眠れない自分と格闘するのは嫌なんだ。

そんなに遠出はしない。

夜の冷たい空気。

知ってる近場をうろうろと。

夜ってだけで不安なんだ。
あんまり不安になる事はしない。

とりあえずこの道を歩こう。

その次はここまで。

時にはコンビニに寄ってみたり。

夜の世界のコンビニほっとする。

明かりがついてて、ふつうにこの世界に人がいるのを確認できる。

ふかふかの肉まんとホットココアを買ったりして。

帰り道には星が出てるのを眺めながら。

夜の中をふわふわ歩いて、お腹の中があったかくなって、いい感じになった気がして家に帰ったりして。

でも布団に入るとなかなか寝れない。
横になってるだけでも違うの知ってるし、もう打つ手もないからそのままでいる。

とりあえず、目を瞑って、さっき纏った夜の空気を思い出す。




「眠れないほど」

12/4/2024, 1:42:37 PM

気づいたら、星の上にいた。

星ってほんとに絵みたいな、とんがりが5つあるあの星。

その右肩にわたしがいて、左肩にはマレーバク。
マレーバクはホットココア、
わたしはホットティーを手に持っている。

黒い星空の中。

「あのー、すいません。
 バクさんがいるってことは、ここって夢の中ですかね?」

わたしが尋ねると、バクは、瞑っていた目をわたしの側だけ開けてチラリとこちらを見て、また目を瞑り、フー、フーと、ココアに息を吹きかけた。

なにも答えないバクに、仕方がないからこちらもフーと息を吹きかけてホットティーを一口飲んだ。

ここがわたしの夢ならば、わたしの自由になるのかな?
思いついて手の中にクッキーの缶々を呼び出した。
キラキラと小さな星に包まれて、長方形のクッキーの缶が現れた。
フタを開けてバクに差し出してみる。

「はい。」

バクは目を開けて、ゆっくりとジャムクッキーを手にとった。
わたしはチョコチップココアクッキー。
サクサクとクッキーをかじり、紅茶を飲みながら、時折流れ星の流れる星空を眺める。

これは夢だよね?
バクは夢を食べるんじゃなかったっけ?
ココア飲んでるけど…
お腹いっぱいなのかな?
そもそも夢を食べるバクってマレーバク?

………
わたしっていつどうやって眠ったんだっけ。
どうやったら現実に戻るのかな。
まあ、いっか。
もう少しだけ、こうしていようか。

その時
クッキーと紅茶を食べ終えたバクが、立ち上がり、ふーっっと大きく息を吐きだして、そのあと
ズオーーーーーーッッ!!
星空の世界を吸い込みはじめた。

「キャーッ」


気づいたら、朝の光の差し込んだ、いつものベッドの上にいた。




「夢と現実」

12/4/2024, 4:24:50 AM

空気が冷たく、乾燥してる。

ボクはこんな季節がだいすき。

人が歩いてる。

ボクは人もだいすきだからくっつこう。

あ、ボクの仲間がおててにいるね。

やっほー。

ボクはお口の中におじゃましようかな。


「ただいまー。」

「おかえりー。
 手洗い、うがい、しなさいねー。」

「うん。」

え?

ジャー、ザバザバ

なに、この音。

『キャーッ!』

仲間の悲鳴?

ザバッ

うわっ、水がっ!

ブクブクブクブク

わあっ!かき回される!

ペッ

『キャアッ』

お外に出された!

「ばいばい、かぜバイキン。」

キュッ
ザーッ

『キャーッ!』




「さよならは言わないで」

12/3/2024, 2:44:16 AM

朝がきて

夜がくる。

また朝がきて

また夜がくる。


太陽の側でこの星は自転して

この星にいるわたし達は、光に包まれた朝と、闇に包まれた夜とを繰り返す。

時間の流れを大きく捉えれば、
わたし達はとめどなく移り変わる光と闇の狭間で暮らしているということになるのでしょう。


今日もバレリーナのように地球は回る。
回る地球にオルゴールのメロディを添える。

(小沢健二の『旅人たち』もしくは『球体の奏でる音楽』をオルゴールversionにして。どちらでも同じ曲。)




「光と闇の狭間で」

12/1/2024, 8:40:35 PM

夫婦は
落ちていく葉の中で、ただ座っていた。

優蔵さんは入院中に百合子さんが編んだニット帽とセーターを身につけている。

こうやって太陽の下で二人ゆっくりするのは久しぶりだ。

今日は体の調子がいいから。と言った百合子さんには、それでもまだ微熱がある。


落ち葉が降る。

降り落ち、積もる落ち葉に、時の流れと蓄積した時間を思う。

そして愛情とは時間じゃないかとも思う。
共に過ごした長い時間が降り積もっていく。

このなんともない、二人ただベンチに座っているだけの時間を終わらせないでほしい。
優蔵は思う。

冬のはじまりを知らせるように、冷たい風がびゅう、と吹いた。

「もしもわたしに何かあっても泣かないで下さいね。」
穏やかな笑顔で百合子が言う。

「ばかだなー。
 泣くわけないだろー。」

優蔵は百合子から少し距離をとって涙を拭った。






160作突破記念
「距離」

前回 11/22 150作目。
10作ごとぐらいにしている。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。

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