sunao

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気づいたら、星の上にいた。

星ってほんとに絵みたいな、とんがりが5つあるあの星。

その右肩にわたしがいて、左肩にはマレーバク。
マレーバクはホットココア、
わたしはホットティーを手に持っている。

黒い星空の中。

「あのー、すいません。
 バクさんがいるってことは、ここって夢の中ですかね?」

わたしが尋ねると、バクは、瞑っていた目をわたしの側だけ開けてチラリとこちらを見て、また目を瞑り、フー、フーと、ココアに息を吹きかけた。

なにも答えないバクに、仕方がないからこちらもフーと息を吹きかけてホットティーを一口飲んだ。

ここがわたしの夢ならば、わたしの自由になるのかな?
思いついて手の中にクッキーの缶々を呼び出した。
キラキラと小さな星に包まれて、長方形のクッキーの缶が現れた。
フタを開けてバクに差し出してみる。

「はい。」

バクは目を開けて、ゆっくりとジャムクッキーを手にとった。
わたしはチョコチップココアクッキー。
サクサクとクッキーをかじり、紅茶を飲みながら、時折流れ星の流れる星空を眺める。

これは夢だよね?
バクは夢を食べるんじゃなかったっけ?
ココア飲んでるけど…
お腹いっぱいなのかな?
そもそも夢を食べるバクってマレーバク?

………
わたしっていつどうやって眠ったんだっけ。
どうやったら現実に戻るのかな。
まあ、いっか。
もう少しだけ、こうしていようか。

その時
クッキーと紅茶を食べ終えたバクが、立ち上がり、ふーっっと大きく息を吐きだして、そのあと
ズオーーーーーーッッ!!
星空の世界を吸い込みはじめた。

「キャーッ」


気づいたら、朝の光の差し込んだ、いつものベッドの上にいた。




「夢と現実」

12/4/2024, 1:42:37 PM