過去は考えたくないや。何も考えたくないや。
<1年前>6.16
No.15
花占いをする子なんて初めて見た。僕は最初、君を女の子だと思っていた。でも花弁をちぎる指をよく見ると、男のものだと分かった。
やがて低い声で「好き、嫌い」と聞こえてきた。その言葉を大事そうに吐き捨てる。「……〝嫌い〟?」消え入るような声が空気になじむ。
何も言えなくて、風と草原の声と遠くで飛ぶ雲だけが、子供のごとく、この止まったような時間を動かす。
僕は立ち去る。この空間は変に心地よくて、家に帰りたくなかった。ずっといたい気持ちだ。だが、今は1人にしておいた方がいい。そう思った。
もし待ち続ければ、空にオレンジジュースがこぼれてくだろう。
キャッキャと遊ぶ風を置いて、僕は家路に着いた。ああ君が嫌いになったかもしれない。いや、さっき嫌いになった。誰かを思って泣く君が嫌いだ。僕を思う君も嫌いだ。
<好き嫌い>6.12
No.14
街は都会。田舎でのらりくらりと過ごす私は街なんて他人事で。日焼けした野球坊主に、恋なんてする。
何とか連絡先を知って、割と頻繁に会話できるくらいに近づけた。今度の彼の野球試合の日は、私の誕生日だった。なんだか、運命とまでは言わないけど、嬉しかった。もちろんその試合には行く。
夕方に試合が終わって、私は帰ろうとした。「おーい!」って聞き慣れたのに胸が高鳴る声がして、私はすっごく嬉しかった。
振り返ると、汗だくで砂まみれの彼がいた。かっこいいな、ってこれでも思う。
「来てくれてサンキューな!てか俺汚ねえよな、すまん」
「ううん。勝ったね。おめでとう」
「おう!」
彼はニカっと笑う。私は、彼とかあの人としか呼べない。名前さえ呼ぶのにも緊張するからだ。陸斗(りくと)と呼ぶにはまだ早いから、まずは岸本(きしもと)くん。って呼ぼう。
「あのっ、岸本くん!」
「ん?なんだ」
「えと、あの……私、たち」
「うん」
「友達、でいいんだよね?」
「……まあ、そうかな」
よかった。私は岸本くんの視界にちゃんと入ってる。友達として認識されている。まずは友達、次は、あわよくば交際したい。
<街>6.11
No.13
街に関係あるの最初だけやんか。
私の投稿見てくれている方は気づいたかな?見てない人は6月4日の小説を読んでみてください。
さすがに難しいかも。岸本陸斗くん、6月4日に投稿した小説の中の主人公の親友・岸本美久瑠の弟です。
美久瑠ちゃんもボーイッシュな感じで学生時代ソフトボールとかやってそう(実は思いつきでたった今姉弟にした)。
この今回の主人公の女の子の名前はまだ考えてない。
近頃いつも精神的に最悪なんだ。思春期だから?それもあると思う。思春期は心身が不安定になりがちだから。でもそれじゃ済まされないんだ。自分を責めてばかりで泣いてばかり。泣くなんて、一番自分らしくない。ずっと泣かなかったんだから。
実際私はやな奴で、何もできないクズだから。周りの家族や友人に頼りっぱなしな自分が何よりも嫌い。
じっとしているからダメなんだと思って何か行動を起こすと、逆に精神的に不安定になる。じゃあ何をすればいいんだよ。
焦るのは心に悪影響。じゃあどうすればいいんだよ。焦らなければ私は一生このままだ。自分が何かしないと何も変わらないから。
外との関係を断ってきたせい?拒絶はしてなかったんだよ。ごめん、ごめんなさい。今まで何もしなかった罰だね。私は悪い人だ。
ああ、五月と六月は悪いこと続き。春も梅雨も大嫌い。最悪。
<最悪>6.6
No.12
また創作じゃなくて、私が実際に思ってることを書いてしまった。すみません。明日はちゃんと創作描く。
誰にも言えないってわけじゃないかもしれないけど、あの人だけには言えないね。「すきです」なんてね。ましてや「付き合って」なんて言えないさ。
どうして男は鈍感なんだろうか。あの人とはずっと一緒にいるのにね。話しかけてくれるだけで、脈アリだなんて勘違いをしてしまう。ああ好きだなあ。
昔から君は、私より高い声をしていてどちらかと言えば可愛い顔をした子供らしい人だった。
昨年君は声変わりをした。顔立ちも子供っぽさが消えて、なんだか君じゃないみたい。ほとんど同じだったはずの身長は越されて、頭一個分違う。
後ろから話しかけられて、君の低くなった声と、見上げないと顔が見えないほどの身長にびっくりして「高いね」って言ったら君はしゃがんで私に目線を合わせてくれた。冗談でも少し嬉しかった。
声が変わっても小学校から性格や話し方は変わってなかったな。
いつも君はお兄さんからのお下がりらしきぶかぶかの衣服を着ていた。でももうちょうどいいサイズになったみたい。
君は優しくて明るいけれど、
まだ私の気持ちは言えないかな。
<誰にも言えない秘密>6.6
No.11
いつもの創作ではなく、私の実話。
アプローチが足りないのだろうか。私は恋愛下手だ。