熾花

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8/25/2023, 2:42:38 PM

 幸せと、不幸せと、向い合せ。
 あなたが楽をする時、私はため息をつく。
 あなたが泣いている時、私は晴れやかな気になる。
 あなたが怒つているとき、私は思わずふふふとわらう。
 あなたが喜んでいる時には、私は呆れて首をふつている。

 ため息をつきながらも、愛おしいとあなたに尽くす。
 涙からあなたの優しさを知り、晴れやかな気になれる。
 普段怒らないあなたの、怒りなれない姿に笑ってしまう。
 呆れながらも、あなたの無邪気な笑みに私の頬も上がる。

 向い合せの言葉は、いつも喧嘩し合つている。
 でも、時には惹かれ合い、人の繊細な愛を心を表してくれる。

 幸せと、不幸せと、向い合せ。
 私達も、きっと向い合せ。
 

8/21/2023, 5:09:33 PM

 ああ、あの鳥のように。そんな言葉が口癖だったあなたは、今鳥よりも高い場所にいる。

 私はずっと嫌いだった。いろんなものに惹かれ、いろんなものになりたがるあなたが。あなたには、あなたでいて欲しかったから。
 でも、今ならわかる。しっかりと、苦しいほどに。

 ああ、あの鳥のように。空を飛んで、雲を突き抜けて、日の容赦ない業火を肌の隅まで浴びながら、あなたの側まで行けたなら。
 

8/17/2023, 2:54:28 PM

 捨てられない、先の丸い鉛筆。湿気てしまって、色褪せていて、もう使い物になりそうにない。角張った身体には、掠れた必勝の文字が彫られている。
 ありがとう、そう言いたい。あの時の、僕を支えてくれたもう一人の僕。それを思い出す度、捨てようと取った彼をまた押入れの奥へ戻す。

8/16/2023, 11:52:42 AM

 僕のお父さんは給料が少ない、お母さんはすぐ怒る、お兄ちゃんは弱虫。時々、他の人の家族が羨ましくなって「他の家の子がよかった。」なんて言っちゃう。
 でも、でもね。やっぱり家族は今の僕の家族が一番なんだ。お父さんは僕たちのために頑張ってて、お母さんは僕のことをいっぱい思ってくれて、お兄ちゃんは怖いときでもずっと側にいてくれる。頼りなくて、喧嘩もしてそれでも、こんな僕とでも一緒にいてくれる家族が大好きで、誇らしい。

8/15/2023, 11:21:13 AM

 夜の海。浮かぶクラゲの髭は、微かに光を放ち夜空の星の様だ。月は今日も尚、恥ずかしそうに雲に隠れたり顔を出したりする。

 いつか貴方と見た星を思い出す。満月の夜にあなたは隣でお酒を呑み、私はその横顔を眺めて惚けている。恥ずかしがりな貴方でしたから、普段はなかなか顔も見せてくれない。でも、綺麗な星の夜だけは、お酒とともに貴方の奥底も見れた気がした。だから、私は星の夜が好き。そして、それを思い出す夜の海もまた愛おしい。

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