題 星に願って
星に願いをかける。
お願いします、どうかこの気持ちが報われますように⋯。
この想いが届きますように。
いや、届かない。分かってる。
こんな事してもあの人が私を振り向くはずが無い。
だって別の人が好きなんだなら。
なんなら私にその人のこといつも嬉しそうに話してくるんだから。
だから、私は悲しみにくれる。
悲しみにくれるけどどうしようも無い。
人の気持ちは変えられないから。
私は笑顔で相談聞くだけ。
そうなんだねっ、て、どうしようも無い苦しみを胸に秘めながら。
引き裂かれるような心の痛みを感じながら。
あなたの言葉なんて聞きたくないって思いながら。
私の想いはちゅうぶらりんだ。
想いはあるのに、星に願っても、神様に願っても、何に願っても決して叶うことが無い。
叶わないことだって世の中にはあるんだ。
そう思ってしまう。
七夕に願いを、新年に願いを、絵馬に願いを、そんなのたくさん見るけど⋯。
人の気持ちは変えられないって思うから。
希望をもっても辛いだけだ。
諦めた方が早い。
そうしたら他の人が現れてくれるかもしれない。
幸せになれるかもしれない。
でもさ、諦められないんだよね。
他の人と話してもあなたじゃないから。
あなたじゃないなら意味ないから。
そうだよね、代替品で補えるなら最初からやってる。
私はあなただから好きなんだから。
だから、苦しくても他の人との恋話だって聞いてしまうくらいなんだから。
私の心はどこへ行くんだろう。
いつまで縛られるんだろう。
もうそろそろ解放してくれないかな?
終わりの見えない辛さ。
解放を望んでも離れたくないジレンマ。
ねぇ、お星様、どうしたらいいのかな?
私の心が楽になる方法をどうか教えてください。
題 君の背中
君の背中ってなんでそんなに大きいの?
いつももたれかかると思う。
座ってる君の背中にダイブして、抱きしめると、うわってビックリした顔で私を見る。
それで、嬉しそうな顔するから、私も思わずにやけてぎゅーって抱きしめちゃう。
何よりも大事なんだ。
でも君の背中は大きくて、私じゃ抱きしめきれない。
私も君の助けになりたいのに、君に守られるだけじゃいやなのに、私が何かしたいのに、してもらってばかりだよね。
こうして、抱きしめても、君はそのまま受け入れてくれる。
私は君が大好きだから、それだけじゃ不満で。
もっともっと君にも大好きになって欲しくて。
君が私がいて良かったって思えるほどに感じてほしくて。
私が何かできれば、助けられれば、君が必要としてくれれば。
その考えが抜けない。
君は私を不意に振り返ると、手を引いて、君の前へすわらせると、私を抱きしめた。
「好きだよ」
それじゃ足りない
「マユミって可愛いよね」
違うもん
不満気な顔をしていたに違いない。
私が振り返って君を見ると、君は一瞬困惑したような表情になった。
「僕にはマユミが必要なんだよ」
「本当?!」
必要って聞いて即座に聞き返してしまう。
だって必要として欲しかったから。
「もちろん、当たり前でしょ?」
そう言って、私の頭を優しく撫でる君のこと、本当に愛しい。
「本当に本当?」
私が振り向いて確かめようとすると、おでこに軽くキスをされる。
「本当。むしろマユミ以外必要じゃない」
「私もだよ」
私の方が絶対に君が必要だ。
だからこそ、君に必要として欲しいと思ってしまう。
私が何も出来ないままじゃ、君にメリットなんてないじゃない。
そんなの、君は何も楽しくなんてないんじゃないかって。
「マユミがいてくれるから、僕は毎日楽しく過ごせるんだよ。マユミの存在に日々感謝してるよ」
「何も出来なくても?」
私がそう言うと、君は苦笑する。
「何も出来ないなんてことないけどね。でも、そうだよ。何も出来なくても、僕は君が好きだよ。君がいてくれるだけでいいんだよ」
「何かしてあげたいの、役に立ちたいの」
つい、言葉を重ねてしまう。
それじゃあ嫌だって思ってしまう。
「それなら、そばにいて微笑んでてよ。僕と話して、こうしてくっついてくれればそれで僕の助けになってるんだよ」
「そう…なんだね」
君の嬉しそうな顔に、私の顔も綻ぶ。
本心からの言葉って思えたから。
「分かった」
そうして君を抱きしめる。
やっぱり君の体は大きいけど、でも、もう焦りはない。
このままの私で愛されてるって分かったから。
題 誰も知らない秘密
誰も知らない
教えもしない私のこの気持ち。
どんなに時が経ったとしてもあなたへの気持ちが変わる気がしないっていうこと。
あなたへの気持ちはもう動かしようがないくらい大きいって言うこと。
この先あなたに大好きな人が現れて、恋に落ちてもきっと私の事、私の存在はどこかにあるだろうってこと。
だって私もそうだもん。
離れたくないけど、離れたよね。
あなたは恋か分からなかったかも知れないけど。
私は離れて分かったよ。あなたのこと愛してたって。
恋より濃い想いだから。
誰にも私たちの関係は理解できないと思う。
それでいいの。
誰にも話す予定はないから。
だけど、だけどね。
あなたと過ごした時間は何もにも、本当に何物にも変えがたくて、嬉しくて、喜びで。
不思議な不思議な魂の約束事のような気がしたんだ。
特別で唯一無二の時間だった。
離れるまでの時間はかけがえがなかった。
あなたがどんな人なんて関係なかった。
あなたという存在と私は出会いたかった。
そんな出会いだった。
ありがとう不思議な魂の出会いを味あわせてくれて。
こうしてひとりになっても、あなたはそばに居てくれるようで、でも魂が引きちぎられるような痛みもたまに感じて。
いつかあなたへの想いも薄まってしまうのかな。
それは寂しい。
あなたの存在を消したくない。
私の人生の最後になったとしてもあなたのこと思い出してしまいそうなくらい
私の生涯の中で1番の不思議な強い想いを感じてしまったあなたなのに
題 静かな夜明け
何も起こってないようなそんな気がする日常。
僕の毎日はいつも、静かだ。
誰も何も入ってこないから、1人で起きて1人で散歩して1人で寝る。
そんな毎日だ。
ここは深い森。
だれとも行き合わない。
雪が降る。寒い中、毎日意味もなく散歩する。
家にいると1人を実感してしまうから。
動く物を見たいと思ってしまうから。
小さな虫でもいい。
冬眠している動物に思いを馳せるでもいい。
空を飛ぶ鳥を見るのでもいい。
1人ではない証を求めている。
歩けば歩くほど足はかじかんで、手にも痛みのあまり激痛が走る。
だけど、僕は歩く。
どこまでも歩いていると1人でも大丈夫な気がするんだ。
どこまでも歩いていると1人では無い気がするんだ。
散歩の最後は、ハイテンションになっている。
どこか少しだけ気分が向上して。
出た時の暗く虚無な気持ちから抜け出せている。
僕は1人なのか?
これからも毎日静かな夜明けを1人で見るんだろうか。
それでも僕の胸には期待がある。
春になって花が咲き誇り、命の誕生を目にするだろう。
僕は本当の意味で1人にはなれないのかもしれない。
そしてそれはとても幸せなことなのだろう。
題heart to heart
心臓ってただの臓器だよね?
感情ってどこから来るんだろう。
ドキドキしたり、ワクワクしたり、緊張したり、いつも心臓の辺りが動くような気がするんだ。
でも違うのかな?
ただの臓器なら、気持ちはないはずだもんね。
頭で感じてる信号が心臓に伝わって心拍数が早くなってるのを感情って思ってるのかな?
その割に、ただのドキドキとは違う、込み上げてくるような、沈むような、弾むような、様々な感覚に襲われてしまう。
私のハートには何があるんだろう。
他の人と暖かい感情の交流をしてるけど、それが心臓を弾ませるように嬉しくする。
大勢の人の前で発表する時、心臓が暴れ狂うようにのたうち回る。
人を好きになると、ドクドク早くなって甘い気持ちが込み上げてくる。
ただの臓器だとは思えない。
思えないけど、一体どこから感情は来るんだろう。
私は思う。
胸に手を当てて。
静かな鼓動を手のひらに感じながら、この胸で感じる無数の湧き上がる気持ちの正体は一体何なんだろうと考えながら、その正体は今日も分からないでいる。