題 静かな夜明け
何も起こってないようなそんな気がする日常。
僕の毎日はいつも、静かだ。
誰も何も入ってこないから、1人で起きて1人で散歩して1人で寝る。
そんな毎日だ。
ここは深い森。
だれとも行き合わない。
雪が降る。寒い中、毎日意味もなく散歩する。
家にいると1人を実感してしまうから。
動く物を見たいと思ってしまうから。
小さな虫でもいい。
冬眠している動物に思いを馳せるでもいい。
空を飛ぶ鳥を見るのでもいい。
1人ではない証を求めている。
歩けば歩くほど足はかじかんで、手にも痛みのあまり激痛が走る。
だけど、僕は歩く。
どこまでも歩いていると1人でも大丈夫な気がするんだ。
どこまでも歩いていると1人では無い気がするんだ。
散歩の最後は、ハイテンションになっている。
どこか少しだけ気分が向上して。
出た時の暗く虚無な気持ちから抜け出せている。
僕は1人なのか?
これからも毎日静かな夜明けを1人で見るんだろうか。
それでも僕の胸には期待がある。
春になって花が咲き誇り、命の誕生を目にするだろう。
僕は本当の意味で1人にはなれないのかもしれない。
そしてそれはとても幸せなことなのだろう。
2/6/2025, 1:33:03 PM