ミントチョコ

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12/17/2024, 11:21:59 AM

題 とりとめもない話

12/17/2024, 1:16:30 AM

題 風邪


なんて運が悪いんだろう

私は今日デートだってのに風邪で今寝込んでる。

朝熱測ったら8度あって・・・。

試験終わりで久しぶりに彼氏と会えると思ったのに~!
っていう気持ちと、もうダメ、ぐったりっていう気持ち。

熱が結構上がっていて、割と今しんどい。

お母さんもお父さんも仕事だし、今は私一人だけだ。

彼氏に連絡しても、返信無しだし。
てか未読スルーだし。

そんなことある?

あ、ちょっとイライラしてきた・・・。

眠って全て忘れよう・・・。

って思ってたら。

ピンポーンってチャイムの音。

こんなときに~!?
えー、辛い、居留守使おう。

と決めて目を閉じると・・・。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ドンドンドンときた。

なっ、なになに?

ドアを叩く音がして、慌ててしんどい体を起こす。

階段を降りて鍵を開けると、そこには彼氏がいた。

「大丈夫?!」

「えっ、ナツキくん、なんで?メール見てなかったんじゃ・・・」

「通知見れるから・・両親いないんだろ?急いで氷枕とかポカリとか、ウィダーインゼリーとか買ってきたよ、とにかく、暖かくして、ベッド戻れよ」

そう言われて、嬉しくて体がじんわりした。

「うん・・・」

玄関に来るまではあんなにしんどかったのに、今はそんなに辛くないなぁ。
隣にナツキくんがいてくれるから。

大人しく、促されるままにベットに入って布団をかけてもらう。

「びっくりしたよ、デート待ってたらいきなり具合悪いってくるから。とにかくシホの家に向かわなきゃって・・・」

「メールの返信ないから、見てくれてないのかと思った・・・」

「そんなわけないだろ?!シホのメールなんだから。速攻コンビニ走ってここまで来たよ」

あ、よく見ると、汗かいてる。
本当に急いできてくれたんだなぁ。

再び私の中に暖かいものが駆け巡る。

「ナツキくん、ありがと、あの、今日デートなしになっちゃってごめんね」

「気にするなよ。シホが元気じゃないならデートなんてしたくないよ。シホがまた元気になったらたくさんデートしよう」

「うん・・・」

あ、おかしい、涙腺が緩んで涙がこぼれそうになる。

「泣くなよ・・・」

優しいナツキくんの声。

嬉しいな。こんなに優しいナツキくんを見ることが出来て、風邪は苦しいけど。なんだか幸せだ。

ありがとうって素直に思えるから。

元気になったら私が食事奢らなきゃ。

たくさんたくさんナツキくんと幸せな時間を過ごすんだ。

そんな幸せな妄想がわたしの頭を占めて、ナツキくんに変な顔されちゃった。

ナツキくんがそばに居てくれるだけで幸せっていう気持ちも妄想も収まることが無かった。

12/15/2024, 1:02:18 PM

題 雪を待つ

12/14/2024, 12:34:38 PM

題 イルミネーション

イルミネーション

「ねえ!見て〜!キレイだよ、イルミネーション!」

そう君が楽しそうにはしゃぐから、僕は君に笑いかける。

「そうだね」

確かに、周りはカップルが沢山いて、皆、巨大なクリスマスツリーから四方に伸びる色とりどりのカラフルな光ファイバーが輝くイルミネーションに見惚れてる。

そして、中央のスクリーンにはプロジェクトマッピングが映っていて、オーロラ色の星や、キラキラ光るサンタとトナカイが街を走っている幻想的な光景が立体的かつ色とりどりに映し出されている。

君はイルミネーションが大好きだから、このイベントが告知された瞬間に僕にメッセージ送ってきたよね。

そんな君が可愛くて二つ返事で了承したけど、やっぱり来てよかったって思う。

イルミネーションも綺麗だけど、何より横に輝く笑顔の君がいてくれるから。

それだけで今週の仕事の疲れが今吹き飛んでる。

君が隣ではしゃぐ姿を見るのって、僕には結構なご褒美だな、なんて考えてる。

「つれない返事だなぁ、このキラキラ達、見てる?」

君はちょっとぷぅっと頬を膨らませて僕を見る。

「見てる」

主に君の方をね、っていうとイルミネーション見てってブーイングが起きそうで、無難な返事を選ぶ。

「そっか」

僕の返事に君はすぐに笑顔で機嫌を直して腕に手を絡ませる。

ちょっと、この可愛い生き物、何とかして欲しい。
君のぬくもりに幸福感が溢れまくる。

「一緒にイルミネーション来れて嬉しい、また来年も来たいな」

君が瞳をキラキラ輝かせて僕の顔を見る。

「うん、また来よう」

僕の返事は短いけど、内心は君といられる幸せに溢れているよ。

たくさんたくさん君に愛を伝えたいけど、照れくさくて伝えられないこともある。

こうして君が笑顔でイルミネーションを見ている姿に、僕を見つめる瞳に、優しく繋ぐ手のぬくもりに、僕からは伝えられないのに君から愛情をたっぷり注がれている気がする。

・・・僕も君に伝えたい。

「今日、とっても可愛かった。いつも大好きだよ。僕の彼女でいてくれてありがとう」

そう言ったら、君は喜んでくれるだろうか?
僕に眩しい笑顔を向けてくれるだろうか。

そんな期待を抱きながら、僕は彼女の瞳を捉えて口を開いたんだ。

沢山の色とりどりの優しい光たちに包まれながら。

12/13/2024, 12:48:23 PM

題 愛を注いで

愛を注いで

私は足りない。

愛が足りないの。いつも不足してる。
誰にも愛されない気がしてる。
人生でいつも1人だと思ってしまう。

だからいつも試してしまう。
私のこと好きなのかどうか。

それで、やっぱり分かる。相手は私のことなんて好きじゃないんだって。

「私、誕生日にはあのこないだ言ってたブランド指輪とネックレスが欲しいな」

「え、まだ俺学生なんだけど・・・」

大学になった私は相変わらず試してしまう。
そんなことしたって仕方ないって思うけど、他にやり方を知らないの。


「えー、私のこと愛してるなら買ってくれてもいいじゃない?それとも愛してないの?」

「いや、そりゃ愛菜のことは好きだけど・・・」

「じゃあどんなことしても買ってくれるはずだよね?彼氏でしょ?ね?」

「・・・分かったよ・・・」

渋々言う彼氏の腕に抱きつく。

・・・これで愛されてるって実感できる。
無理しても私の為に動いてくれたんだから、私のこと愛してるって証明だもんね。

彼氏が暗い顔でため息を吐いている表情を私は見逃してた。 


次の週、私は大学のベンチで沈んだ顔で座っていた。

なぜなら一昨日、いきなり彼氏から別れようって言われたから。

プレゼントとか高すぎだし、ワガママだし、私の存在が重荷だって言われた。

こういうことが何度もある。


ほらね、ほら見なさいよ。
みんな私のことなんて嫌いなんじゃない。

私のこと好きでいてくれる人なんて誰もいないんじゃない。

私の望み一つ叶えてあげたいっていう気持ちなんてないんだから。

だから、私も世界が嫌いなのよ。

好かれなきゃ好きになんてなれない。


「あっ、ねえねえ、プリント取ってくれる?」

そんな破滅的な気持ちでいた私の耳にいきなり声が聞こえてきた。

声の方を見ると、ひらひら風に飛ばされてるプリントを頑張って追いかけてる男性が近づいてくる。

掴もうとしては、風に翻弄されてる。

その光景が可笑しくてクスッと笑うと、私は足元にやってきたプリントをすくい上げると、男性に手渡す。

「追いかけっこ、お疲れ様」

「あはは〜カッコ悪いとこ見られちゃったね」

・・・なんだろ、この人全体的にほわほわしてるな。
猫っ毛で笑顔が何か可愛い。

「このプリントね、あ、見てみて、これね、来週絶対落とせないテストのプリントなんだ、君も取ってる?」

「私は取ってない」

「そっか〜、詳しかったら教えて欲しかった〜!」

泣きそうな顔して私に訴えかける彼。

「え?そんなに自信ないの?」

「うん、絶望的、頑張って覚えようとするんだけど、何故か何度繰り返しても覚えられないんだよね、暗記のコツとか知ってる?」

「暗記のコツ・・・何だろう、繰り返すことだと思うけど、朝と夜とか時間おいて」

私は彼の勢いに飲まれて答えていた。

「ああ!そっか、時間おいてね、君って天才じゃない?!可愛い上に天才!!」

「可愛くなんてないよ」

大げさに褒められて、つい冷たく言い返す。

「え〜どこが?」

「え?」

すっごくびっくりされた顔をされて、私の方がむしろびっくりする。

「どこが可愛くないの?むしろ可愛さしかないよ?」

「ちょっ・・・」

何を言ってるんだろう、いきなり。

直球すぎる言葉に私が言葉を失ってると、楽しそうに、プリントを眺めながら彼が続ける。

「このプリント拾ってくれたしさ、暗記の方法教えてくれたし、君って本当に性格いいし、可愛いよ」

純粋な笑顔を向けられて思わずキレイ・・・とか思ってしまう。

何だ何だキレイって。訳わからない感情が湧いてしまう。

彼が純真な笑顔を向けてくるから、そう思うのかな。
オーラかな。

こんな子、初めて会ったかもしれない。

「お世辞でしょ」

とか可愛くないこと言ってるけど、彼が本気なのは、何となく分かった。
本心言ってくれてるんだろうなって。

「お世辞?何で?お世辞なんて言わなくてももうこんなに親切で性格良くて可愛いのに?」

「わー、繰り返さなくていいからっ!!」

何か、なんか調子が狂う。

「あ、そんな風に慌ててるのも可愛い」

「ちょっと、黙ってて欲しい」

私が動揺して何だかうるさい心臓を抑えながら言うと、彼は心配そうに私を覗き込む。

「大丈夫?医務室一緒に行こうか?」

「だ、大丈夫・・・」

何とか答えると彼はまだ心配そうな顔で私を見つめている。

「でも、胸が痛いんじゃ・・・?」

「大丈夫だから・・・じゃあね」

私が立ち上がろうとすると、動揺のあまりよろけてしまう。

「あっ!危ないっ!」

彼が咄嗟に私を支えて引き寄せる。

彼の顔が至近距離に迫る。

「大丈夫だった?やっぱり気分悪いんじゃない?心配だなぁ」

そう言いつつ、私のおでこに手を当てる。

「熱は、ないね。でも、やっぱり医務室、行く?」

「・・・大丈夫」

何だろう。動悸が止まらない。

変だ。変すぎる。

「じゃあ次授業?次の教室まで付き添うから教えて何の授業?」

「・・・情報処理」

抵抗できずに、素直に答える。

「うん、情報処理か、じゃあ一緒に行こう、付き添わせて、ね?」

・・・本当に不思議なんだけど・・・
私この人と一緒にもう少しいたいって気持ちになっていた。

手を差しだされて素直につなぐ。

・・・自分の気持ちがわからない。

全然わからないんだけど、何だか違う、今まで会った男性と違う、この人。

雰囲気も言葉も、私に刺さる。

楽しそうに、鼻歌を歌う彼を見て、思わず優しい気持ちになってクスッと笑ってしまう。

心がウキウキと弾むようなそんな感覚を覚える。

この人に何か買ってもらわなくても気持ちが伝わるって思ってしまった。
試さなくても気持ちが分かるって。

不思議な気持ちが沸き起こってきて、私自身びっくりだ。

何か恋が始まったわけでもないのに、ただ少し話しただけなのに。

私の中で、何かが急激に始まってしまいそうな予感が、止まることなく私の心をガンガンと打ち鳴らしていた。



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