題 何でもないふり
何でもないふりであなたのことを盗み見る。
気づかれてないかな?
うん、大丈夫。
・・・でも、なんだか楽しそう。
友達と楽しく話してて、ちょっとだけ寂しい。
あの場所に私がいられたらいいのにって。
私とあなたと他の友達と・・・。
一緒に笑いあえたらいいのにって思う。
私の居場所はまだあの人のそばになくて、友達という座でさえ掴めないでいる。
だから動くことも出来ないし、あなたからの言葉も貰えない。
こうしていつも見ているだけ。
目が合っちゃうと凄く動揺する。
ずっと見てるから、たまに目が合うけど、あなたは、気にせずにすぐに目を反らすけど・・・。
私はその日1日がそれだけで幸せの絶頂みたいな
そんなドキドキとドクドクとフワフワとほわほわが混ざり合った気持ちになる。
なんて幸せなんだろう。
こうして、交われない切ない気持ちもあるけれど、あなたがいる教室も私の恋心も。
こんな気持ちは初めてで、切なさも心地よさもあって。
その気持ちを教えてくれたあなたに感謝する。
ありがとう。私の人生に現れてくれて。
こうして見ているだけで幸せだよ。
こっそり心で囁きながらチラッとあなたを見る。
あなたは少しも気づいてないけど、ここにあなたのこと想っている人がいるっていうこと、いつか気づいてくれるといいな。
題 ありがとう、ごめんね
いつも見てくれてありがとう
でも・・・ごめんね。
言いたくないんだけど、嫌だったんだけど、言わざるを得なかった。
だって好きな人がいたから。
応えたかったよ。あなたはとても大事な友達だったし、いつも相談できる心強い相手だった。
小学校からずっと一緒だったよね。
高校のいままでクラスは同じだったり違ったりしたけど、何か縁があって。
あなたと一緒にいると、安心できた。
知った顔があると何だか安心出来るじゃない?
そんな感じだったの。
あなたと一緒に過ごした行事、帰り道、テストの答え合わせしたことなんて、些細なことが頭に浮かぶ。
でも、好きな人は別にいて。
心惹かれてしまっているから。
いつもいつも目に入る度にドキドキする。
振り向いてなんてもらえないかもね。
だって人気者だから。
女の子達や男の子達のグループに引っ張りだこのあの人は、私の憧れであり好きな人なの。
好きだけど叶わないとどこかで思ってる。
思ってるけど諦められなくて、そんな時あなたに告白して貰えて、こんなに些細な暖かな気持ちが湧き上がるのに、それでも応えられない自分がいる。
どうしても憧れの気持ちが、ドキドキするトキメキの気持ちが抵抗する。
あの人を好きな気持ち、あきらめないでって。
私はあの人がいいんだって。
・・・苦しいよ。
今まで一緒にいたのに、もう気まずいよね。
友達ではいられないって言われてしまった。
それなのに裏切れない自分の心・・・。
ごめんね
ごめんね
そしてありがとう、とっても感謝しているよ。
今まで一緒にいてくれてありがとう。
さようなら。
本当はまだ一緒にいたかったな。
題 部屋の片隅で
私は部屋の片隅で膝を抱えてる。
希望がないから。
そうだよ、何も出来ないんだ。
いつも思う。
取り柄があるわけじゃない。
頭がいいわけじゃない。
何もない自分。
どうしてそれなのに生きていかなきゃいけないの?
私に何もないなら、平凡なら、突出するものがないなら・・・。
どうして、私は私に自信が持てるんだろう。
みんなイラストが上手くてさ、文章が上手くてさ、運動が上手くてさ、綺麗で、私にはないものばかり・・・。
私はずっとずっと人を羨んでいく人生なのかな。
そう考えてしまうと、どうして、どうして生きていかなきゃいけないのか。
意味があるのかって思っちゃうんだ。
イジイジモード発令中。
そう、そんな自分に嫌気しかない。
でもね、でもこうも思う。
もし、全てが与えられたら?
全てがあったら、もう何も成長出来ないんじゃないかって。
全てがないから、成長出来るんじゃないかって。
私、ゲームだってレベル99にあげたらなにも出来ないもん。やることないもん。
今そうじゃないから、成長できるんじゃないかって。
成長出来るって幸せなことなんじゃないかって。
諦めさえしなければきっと、私はレベル1個ずつ、1ミリずつ上げて行けて、明日は昨日の私よりも1ミリ、レベルが上がっていけてるんじゃないかって。
しかも、1ミリの成長じゃ毎日成長してるかわからないじゃん。
きっとね、沢山の時が経って振り返ったら、私は沢山持てて成長しているんだ。
ほら、イジイジモード終了
こうして、発想の転換をするとイジイジモードは終了する。
うーん、そーいえば、私って発想の転換の才能はあるのかも!
題 逆さま
今私だけ逆さまの世界になったとしたらどうなるんだろう。
私は教室の天井を見てたまに思うの。
あの天井を歩いて、電気とかもヒョイって乗り越えて、それからみんなが逆さじゃないなら、私だけ忍者ごっこ出来るよね?
仰向けに天井に寝るだけで、みんなにびっくりされちゃう!
それは楽しいかも、なんてフッて笑みをこぼす。
意外とドアは遠いかも。天井から離れたとこに設置されてる。
ドアまで頑張ってジャンプして外に出なきゃ行けないかな。
あ、そうそう、外に出たらどうなるのかな。
どこまで引力でひっぱられるのかな?
どこまでも上に空に宇宙に落ちていってしまうなら・・・。
それなら、ヒモで結んでいてもらわないと。
落ちないように外に出たら地面がないからね。
そしたら寝るのも天井なのかな?
家の天井、寝るの大変そう・・・。
寝心地凄い悪いんだろうな・・・。
・・・待って、私だけ重力に反してるなら、ご飯は?
ご飯届けてもらうの大変すぎない?味噌汁は?飲めない気がする。
こ、困る、それは、というか、友達ともよく考えたら遊べないし、全然便利じゃない、逆さまの世界って不便すぎ、考えるのや~めたっ。
なんて、私の思考が天井を歩けたらごっこから戻ると、苦手な数学の授業の、更に苦手とする証明問題の解説だった・・・。
うわぁ、地獄。
この世界でこうして重力通りに生きるのも大変だよね。
私は1つ重いため息をついた。
題 眠れないほど