ミントチョコ

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6/12/2024, 11:34:59 AM

題 好き嫌い

私はあの人のこと好きなのかな、嫌いなのかな。
そんな疑問を感じてしまう。

好きって言ってくれる人がいる。
だから、私にも好きになってって。
でも・・・。

「今日は少しは好きになった?」

マモルが私に問いかけてくる。

「その質問はしない約束」

私はマモルに向かって指を突き立てる。

「分かってるけど、早く好きになってほしいからさ」

マモルは横目で私を見ながらそう言う。

「そんなに・・・いきなり好きになるものなの?」

私はマモルの言葉につい聞き返してしまう。

「いきなり好きになるよ」

マモルは私を真っ直ぐ見ていう。

「僕はそうだったから」

真っ直ぐ言われると、たじろいでしまう。
でもね・・・。

「私にはわからないんだよねぇ。マモルが感じたみたいに感じられればいいって思うんだけど」

「付き合えば好きになるかもよ?」

マモルに言われて首を振る。

「そういうことじゃないと思うんだよね、なんか、なんでか分からないんだけど・・・」

本能的に違う気がする。
付き合っても、好きになったりしないんじゃないかって。

だから、本当は断りたい。
断ったんだけど、どうしてもって言われて友達続けてるけど。

「私が他に好きな人出来たらどうするの?諦めるの?」

私はマモルに問いかけてみる。

「・・・諦めたくない。だから僕を好きになってほしいな」

「う〜ん、それは私にも分からない」

「好きって思い込めば好きになるかも?」

とんでもないことを言い出すマモル。

「それは本当に好きになったっていうの?もはや思い込みのレベルというか・・・」

「少なくとも僕は嬉しいよ」

「私は嬉しくない!」

私はマモルに抗議する。

「だから、やっぱり、好きになれる可能性は低いと思うの」

「まだ、分からないんでしょ?じゃあ友達でいてほしいよ」

「う〜ん」

困る。
困るよ。どっちなんだろう。
嫌いじゃないから余計に困ってしまう。

自分の気持ちがメーターみたいに可視化出来ればいいのに!
そしたら、ハッキリするのに。

「友達でいてくれるよね?」

すがるような目に思わず、

「うん友達ならね・・・」

といってしまう。
ああ、優柔不断な自分の性格が嫌だ。

どっちでも良いから、早く自分の気持ちをハッキリさせたいよ。

そう思いながら私は今日もマモルと下校している。

6/11/2024, 1:25:50 PM

題 街

一緒に歩きたい人がいる。
だけど、街に誘えない。
遊びにも、どこにも。

私の心が臆病だから。
一言声をかければいいのに

そしたら、結果が分かるのに。

それでもその結果すら
知るのが怖くてどうしようもない

一緒にいたいよ
隣でいたい
私の隣にはあなたしかありえないと
確信しているのに

臆病な心は

言葉を紡ぐのを拒絶する

結果を告げるあなたの顔を見るのが怖いから
あなたと話すのは
こんなに楽しいのに

この心のぐるぐるを
誰か収めてほしい
私はどうしたらいいの

どうしたら勇気が出るのかな

どうしたらあなたの横に並べる?

そんな事を考えながら
私は今日も平然とした顔であなたと話す

チャンスを伺いながら
あなたへの本心をひた隠しにしながら

6/9/2024, 8:33:19 AM

題 岐路

道が別れるときがある。
私の場合は・・・。

あの時告白されて、受けていたらどうなっていたんだろうって思う。

好き、までなってなかった。
だから断ったんだ。
それに小学校の時だった。

恋愛とかも分からないし。

でも、その子は背も伸びて、中3でとてもかっこよくなって、今や生徒会長をしてて、密かにファンクラブとかがある。

それで、私はいつも思う。
あの時、告白を受けていたら、私は彼の隣にいられたんだろうか。

今頃彼氏彼女になっていたんだろうか。

というのも・・・。
私はその子のことを、好きになってしまったんだ。
人気になってから好きになるなんてどうなんだ?と自分でも思うんだけど、でも仕方ない。

好きになってしまったんだから・・・。

でも・・・私は、ちらっと会長の隣にいる可憐な女の子に目を移してため息をつく。

彼にはもう彼女がいる。
私にはもうどうしようもない。

だからこそ・・・。だからこそ、考えてしまう。
あの時告白を受けていたら、そしたらあそこに立っていたのは私だったんじゃないのか?って。

過去に戻っても結果なんてきっと変わらなかったってわかりきってるのに・・・。
でも考えてしまう・・・。

6/8/2024, 7:48:44 AM

題 世界の終わりに君と

世界が明日終わるなら僕は誰といたいだろう
僕はテレビで核兵器特集をしているのを見て、ふと思った。

もちろん、僕が想っている君と一緒にいたい。
君は、今ここにいないけど、想いも伝えていないけど、最後だとしたら、絶対に君のそばにいたい。

君が僕のこと好きじゃなくても、側にいさせてほしい。
そして、もし困ったことがあったら助けたいし、苦しんでいたら励ましたい。

終わりまで、少しでも君に辛いことがないように。

もし、他に彼氏がいたら・・・
どうしようか。そこまで考えてなかった。

だけど、君が幸せなら、それでいいかな。
側でいられれば。


そこへ家へ来客がある。

「はーい」

出ると、君がいる。

「タカトくん、勉強する約束だったね、一緒にしよう」

君の眩しい笑顔。

「うん、ありがとう、僕が補習組なばかりに」

「いいよ、私、数学は得意だから、一緒に頑張ろう」

君は何でも出来る。僕は出来ない。
君はクラスの人気者。僕は人気なんてない。

だからこそ、君には相応しくない、想いなんて伝えられるわけがない。
君にはもっと素敵な人がいる。

だけど、側にいたい、君と・・・。
その気持ちが消えなくて。
こうしていられる時間を大事にしたいと強く願ってしまう。

「どうしたの?」

僕がそんな事を考えて、君を見ていると、勉強道具を出して、腕に抱えた君が不思議そうに問いかけてきた。

「ううん、何でもない。勉強しよう」

僕の気持ちなんていいんだ。君の幸せに比べたら小さいものだ。

想いなんて叶わなくていいから。

ただ、見守らせて欲しいだけだから。

世界がもし明日終わるのだとしたら、君の側にどうか僕をいさせて。

6/6/2024, 12:08:26 PM

題 最悪

最悪!嫌い!彼氏なんてっ!!
大っきらい!

私は心の中で思い切り叫ぶ。

明日のデート、急に理由もなくドタキャンされた。
明日行けなくなったってそっけないメール一通。

それで音信不通。
何通メールを送っても帰ってこない。

私の心は荒れてた。だって、明日のために、新しい服を買って、アクセサリーも合わせて選んで、持ち物もカバンも準備して、楽しみにしてた。

だから、メール一言でキャンセルなんて、許せるはずなかった。

悶々としながらベッドにあった枕を壁に投げつけて発散する。

そのまま・・・夜になって・・・。

夕飯を食べて、やけになって眠ってしまっていたみたい。

見ると彼氏から着信が何件か来てた。
ふんっ、今更なによ?

と意地悪な気持ちになるけど・・・。

もしかして、デート行けるようになったのかも?とちらと思って、電話をかけ直す。

「もしもし、ナツホ?」

彼氏の声・・・なんだか・・・。

「具合悪い?」

私は彼氏の声を聞いて、すぐに聞く。

「あ、うん、ごめん。昼は熱すごくて、メールするのやっとで・・・今ようやく少し動けるようになったから」

私はその弱々しい声を聞いて、自分のバカ、と思う。
彼氏はずっと具合悪かったんだ。電話して確かめればよかった。
あ、でも、具合悪いんじゃ、出られないか・・・。

「そっか、大丈夫?電話してて」

私は彼氏に聞く。ゴホゴホ咳が出てて苦しそうだ。

「ごめんな、明日のデート楽しみにしてたの知ってたのに」

私こそ、ごめん、と内心で思う。彼氏の事情も分からず責めてた。

「ううん、いいよ、具合悪いならゆっくりやすんで、また今度いこう。良くなるまでじっとしててね」

私は彼氏にそんな言葉を投げかける。
懺悔の意味も込めて優しく言う。

「ありがとう、優しいなナツホは」

彼氏の言葉に、あ、うん・・・さっき散々罵ってたから
という心の声はもちろん表には出さない。

「気にしないで、じゃあ、悪くなるといけないし、切るね、おやすみ」

私は彼氏のお休みの音声を聞いて、電話を切る。

「早とちり〜」

バフッとベッドに倒れ込むと同時にそんな言葉が出た。最悪なのは私だった。
彼氏を責めちゃってたな。
今度会う時はうんと優しくしよう・・・

私は天井を眺めながら密かにそう決意したのだった。

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