題 世界の終わりに君と
世界が明日終わるなら僕は誰といたいだろう
僕はテレビで核兵器特集をしているのを見て、ふと思った。
もちろん、僕が想っている君と一緒にいたい。
君は、今ここにいないけど、想いも伝えていないけど、最後だとしたら、絶対に君のそばにいたい。
君が僕のこと好きじゃなくても、側にいさせてほしい。
そして、もし困ったことがあったら助けたいし、苦しんでいたら励ましたい。
終わりまで、少しでも君に辛いことがないように。
もし、他に彼氏がいたら・・・
どうしようか。そこまで考えてなかった。
だけど、君が幸せなら、それでいいかな。
側でいられれば。
そこへ家へ来客がある。
「はーい」
出ると、君がいる。
「タカトくん、勉強する約束だったね、一緒にしよう」
君の眩しい笑顔。
「うん、ありがとう、僕が補習組なばかりに」
「いいよ、私、数学は得意だから、一緒に頑張ろう」
君は何でも出来る。僕は出来ない。
君はクラスの人気者。僕は人気なんてない。
だからこそ、君には相応しくない、想いなんて伝えられるわけがない。
君にはもっと素敵な人がいる。
だけど、側にいたい、君と・・・。
その気持ちが消えなくて。
こうしていられる時間を大事にしたいと強く願ってしまう。
「どうしたの?」
僕がそんな事を考えて、君を見ていると、勉強道具を出して、腕に抱えた君が不思議そうに問いかけてきた。
「ううん、何でもない。勉強しよう」
僕の気持ちなんていいんだ。君の幸せに比べたら小さいものだ。
想いなんて叶わなくていいから。
ただ、見守らせて欲しいだけだから。
世界がもし明日終わるのだとしたら、君の側にどうか僕をいさせて。
6/8/2024, 7:48:44 AM