ミントチョコ

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4/9/2024, 4:54:01 AM

題 これからもずっと

これからもずっと一緒だよね

「あ、うん、そうだね・・・」

ファーストフードで私は彼氏にそう言うと、彼氏は微妙に視線を反らしてそう言った。

・・・あやしい。

「ねえ?私のどこが好き?」

「え?今更そんなんいいじゃん」

付き合って1年半。高校に入って付き合い出した彼氏。
今までも冷たくなったと思っていたけど、さっきの曖昧な回答と視線を反らしたことで、私は何となく予感がした。

他に好きな人がいるんじゃないかって。

私も、1年同じように彼氏を好きだった訳じゃない。好きだったり、気持ちが彼氏じゃなく部活にむいたり、なんとなく倦怠期みたいなのも感じていたから。

でも、ちゃんと彼女と別れてないのに他の人と付き合ってたりしたら許せない。
順番違うでしょって思う。

彼氏が私に視線を向けることもなく携帯を注視してる。
と思うと・・・。

「あ、用事できたわ、またな」

そう言ってお金も払わず店を出ていく。

私は無言で会計を済ませると、彼氏の後をつけた。

しばらく歩くと、彼氏は誰かに手を振っている。


「はあっ?!」

私はその現場を見て思わず声を上げてしまった。

相手とハグし合ってる彼氏はギョッとした顔でこちらを振り向く。

「なっ!?お前、なんでここに?」

「いや、あんたが最近怪しいから浮気してるかと思って・・・そうだったの?」

「ごめん、そうなんだ・・・」

「はぁ・・・」

なんとも言えない気持ちで私は彼氏とその恋人を見つめる。

「それじゃ、仕方ないね、別れよう」

「ごめん、言い出せなくて・・・」

言い出せない気持ちはわかる。
だって、相手は・・・男性だったから。
そうなってくると、私もあまり踏み込んだ事言えないや。

私は複雑な気持ちでその場を去った。

元彼氏の新たな一面を見てしまい、怒りが動揺に全振りしてしまっている。


・・・新しい彼氏みつけよっと!

とりあえず、私はそう思った。

4/7/2024, 11:41:37 AM

題 沈む夕日

今日も沈んでいく
丸い大きな優しい光

ここで見ているとどこか物悲しくて・・・
でも、その物悲しさがまたいいなと感じる

私は今日も砂浜に座って夕日を見てる

静かに空の色が変わっていく
オレンジに、淡い紫に、水色に藍色に青に黄色が混ざってあらゆる色が空に広がっていく

まるで絵の具のパレットみたいに広がっていく色に見とれる

暖かい気候になって、風がほんのり頬を撫でる

こんなに素敵な光景は何度でも見に来てしまう

毎回唯一無二の色遣い

他に同じ彩り、景色を見ることは出来ないから


私は自然のキャンバスが見たくて、きっと明日もここで沈む夕日を見ているだろう

4/6/2024, 4:35:04 PM

題 君の目を見つめると

君って催眠術を使えるんじゃないかな?
君に何か頼まれると絶対に逆らえない。

「あ、いたいた!松野くん」

今考えていた当の本人が駆けて僕のもとへやってくる。

「探したよ、悪いけど、今日放課後補習で忙しいんだ。代わりにいつものファッション雑誌買ってくれる?本屋寄る時間ないから。はい、これお金!」

「・・・分かった。買っとくよ」

「ありがとう、明日渡して」

佐々木さんは笑顔でポンッと僕の肩を叩くと去っていく。

こんなことあっていいのか?
佐々木さんが去った1分後にそんな考えに至る。

頼まれた直後は、何の疑問もなかったのに。

そもそも僕って人の頼みごととか聞かないほうだよな。
教室に戻ると、友達の晴樹の席に行く。

「やっぱりおかしいんだよなぁ」

「え?佐々木のこと?また何か頼まれたの?」

何度も違和感について話しているから、もう晴樹も何の事がわかっている。

「だって、僕、もともとそんなに人の頼みをはいはい聞くような性格じゃないだろ?」

「まあ、でも、前も言ったけど、佐々木の事何でも願いを叶えたいくらい好きってことじゃないの?」

「違うっ!」

僕は慌てて否定する。

「好きだからって相手の言う事何でも聞いたりしない」

「うーん、じゃあなんだろうなぁ・・・もう本人に聞けば?」

晴樹は投げやりな様子で言う。

「本人に聞いて話してくれる訳無いだろ」

僕はそう言ったものの、このまま何もしないでいても解決しないと思ったので、昼休みに佐々木さんに話があると言って中庭まで連れて行くことにした。

黙ってついてきた佐々木さんは、なに?と聞いていた。

「あのさ、僕、最近佐々木さんの頼み沢山聞いてる気がするけど、どうして?」

「えっ?」

佐々木さんがびっくりしたような顔で問い返す。確かに、いきなり聞かれても困るよな・・・。

次にどう切り出そうと思っていると、佐々木さんが口を開いた。

「何でそのこと気づいたの?」

「は?」

佐々木さんの言葉に、今度は僕がびっくりした顔をする。

「あーあ、せっかく催眠術成功者一人目だったのに!松野くん以外誰も効かないの。よっぽど効きやすいんだねっ」

ニコッと笑いかける佐々木さん。

「な、何してくれてるんだよっ、人権侵害だぞ、早く戻せよ!!」

僕の言葉に佐々木さんは頷く。

「分かった分かった。じゃあ、私の目を見て、解いてあげるから」

その言葉に俺は佐々木さんの目を見た。

その瞬間耳に、

「あなたは今までの会話を忘れます。あなたは私の目を見ると私の願いを何でも聞いてくれます。その事に疑問を抱きませんっと。よしっ重ねがけ完了!」

という声が意識の遠のきと共に聞こえてきた。

そして僕は・・・。


「あれ?また佐々木さんのお願い聞いてるの?やめるんじゃなかった?」

晴樹が、佐々木さんに頼まれたノートを写している僕にそう話しかけてくる。

僕は、晴樹に返答した。

「え?何で?佐々木さんのお願いだから聞くに決まってるじゃん」

4/5/2024, 9:46:18 AM

題 それでいい

私を好きって言ってくれる人がいる。

「だから、好きじゃないんだって」

今日も私は冷たい顔であなたに言う。

「そんな事言わないで、考えてくれない?少しでいいから」

食い下がってくる相手。
どうして?どうしてこんなにしつこいんだろう。
嫌って言ったら普通引かない?

私なら引くけどな。
理解できない、出来ないけど・・・。

「無理。好きじゃない。全然好きじゃないから、考える余地もない」

私は無表情な顔を作る。
あなたは引きつった顔で私を見つめた。
懇願するような表情で。

「君の中には、僕への好意は少しもないの?」

「うん、ごめんね、少しもないんだ」

「これからも好きになる可能性はない?」

しつこいってば・・・。

「ないよ、だからあきらめて」

・・・

少しの沈黙の後、彼は悲しそうな苦笑を浮かべた。

「じゃあ仕方ないね。こんなに言っても無理なら諦めるよ」

「うん・・・そうしてくれる?」

彼が去った後、私は力が抜けたようにへたりこむ。


本当は好きになる余地、あった。
好感だってある。
でもまだ間に合うから。
そんなに好きじゃないから。

私の妹が彼を見て一目惚れしたから。
毎日どれだけ好きか私に話すから。
幸せそうだから・・・。

私はまだ間に合う。
そこまでじゃないもん。

私はこの心の喪失感に似た感情を無理やり無視した。

大丈夫、これでいい。
これでいいんだから・・・。

それでも、しばらくその何かを失ったような気持ちは抜けてくれなかった。

4/3/2024, 2:08:03 PM

題 1つだけ

1つだけ来世に持っていけるとしたら何をもっていくかな?
私は家でボーッとしながら考えていた。

でも、一瞬で結論が出る。

そう、それはお兄ちゃん!

「幸」

私は満面の笑みで振り向くとお兄ちゃんの腕に飛びついた。

「私がずっと独占したいな〜」

「幸ってば、何言ってるの」

苦笑するお兄ちゃん。

だって好きなんだもん。

恋愛ってわけじゃないけど、誰にも取られたくないって思ってしまう。

だから、もし私が一つだけ来世へ連れていけるならお兄ちゃん。

来世では、どんな関係で産まれるか悩むところだけど、とりあえず、ずっと一緒にいたいな!

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