ミントチョコ

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1/15/2024, 11:21:03 AM

この世界は輝いてる

ルンルン♪

私はスキップしながら歩いていた。

雨上がりの美しい青い空、ふわふわした雲。

水滴の残るあじさいにはカタツムリが這ってる。

全てが綺麗でステキな世界。

前方に登校中のタカシくんを見つける。

「おはよー!」

私が満面の笑みで話すと、タカシくんは私をチラッと見たきり視線を前に戻した。

「・・・おす」

「タカシくんも、雨上がりの美しさに感動していたの?!」

私がクルッと回って楽しい気持ちに浸って言うと、タカシくんは、首を降って言う。

「嫌。最悪。そもそも雨嫌いだし、雨降った後って湿度でじめじめするし、靴汚れるし、俺の嫌いなカタツムリもいるし。本当、朝から気分悪い」

「えっ、そうなの?タカシくん、晴れの方が好きなんだ〜!そっかー♪晴れの日も、気持ちいいよね!明日は晴れるかなぁ?」

私は、タカシくんの言葉に、明日の晴れの日に想いをはせた。

タカシくんは、眉を少しひそめながら言う。

「晴れだって、暑くなるのは、俺は嫌いなんだよ。汗出るし、日差し強い中、学校行くなんてだるいだろ」

ゆっくりと歩きながら叩き出すように言葉を発するタカシくん。

「うんうん、暑さと日差しには、日傘とかオススメ!私、こないだお気に入りの日傘買ったんだ。そうそう、最近携帯扇風機流行ってるんだって〜!タカシくんも買ってみたら?あ、一緒に買いに行ってみる?」

私の言葉にタカシくんは激しく首を振る。

「は?なんで一緒に行く必要あんの?別にいいよ、携帯扇風機とか高いし、お金もったいないし。おまえってなんかズレてるよな、いつも」

「ありがとー褒めてくれて♪私いつも褒めてもらえるんだ、嬉しいなー。じゃあ、扇風機買ったら一緒に使おうね?タカシくんと一緒に使ったら登校きっと楽しくなるねっ!」

私の言葉に、タカシくんは、ギョッとしたような顔をして見てくる。

「何言ってんだよ!そもそも褒めてないよ。・・・はぁ、もう・・・面倒臭いからそれでいいよ」

タカシくんがそう言ってくれるので、私はますます楽しい気持ちになってくる。

「タカシくんって、優しい♪」

「優しいって定義、完全に間違えてると思う・・・」

タカシくんは呆れたような顔で私の顔を見る。

何か、こうしてしっかり顔を見られるのは初めてかも・・・。

「まっ、でもこうして面白人間に会えて退屈はしてないかもな」

「え?誰のこと?」

面白人間を見たくてキョロキョロする私にタカシくんは「マジか」と信じられないものを見るかのような視線を向けて来た。

「行くぞ、遅刻する」

「はーい♪」

さっさと歩くタカシくんの後を、私は弾んだ足取りで追いかけた。

今日も私の世界は輝いてる。

1/14/2024, 11:33:21 AM

「どうして?」

どうして私じゃだめなんだろう?

先輩には中1から付き合ってる彼女がいて

私は先輩のこと小6から好きだった。

言えずにいた。
言えずにいたその間に

先輩は好きな人を見つけて、その人と付き合ってしまった。

頑張って話しかけたのに。

挨拶して目に止まるようにしたのに。

何がだめだったのかな?

もし私が小6の時に告白していたら
 
先輩の横に並んでいるのは私だったのかな。

黒い思考が私を埋め尽くす。

今日も私は先輩に挨拶する。

横には先輩の彼女がいて

先輩は一瞬私に笑いかけておはよう、というとすぐに彼女に目を向ける。

柔らかくて特別な視線を。

私はその視線を見たくないのに

先輩に向けられる一瞬の笑顔を見たくて声をかけてしまう。

切なくて嬉しくて、絶望

この感情の波から

誰か助けて

1/13/2024, 1:40:12 PM

夢を
夢を見ている

いつでも私はその夢の中で冒険や生活をしている

小さい頃から見ている夢

どこか知らない場所

草で編まれた住居
食物は野菜と果物だけ

空に見える月らしき惑星は2つ

そんな村で私はユラクと出会う


幼い頃から一緒で

私が成長する度にユラクも成長する

そのスラッとした整った顔に
私は恋をした

でも誰に言える?
誰に告白できる?

私の不確かな夢にしかあなたはいない

ユラクのこと、夢ではこんなに確かに触れられるのに

私の想いは現実では叶うことがない

好きだよ

好きだよユラク

でもあと何回夢で見ることが、会うことが出来るんだろう

不安で泣きたくなる

あなただけを見ているのに
次に逢うことが出来ないかもしれない恐怖

あなたのことが好きだから

今日も眠りにつく


あなたのもとへ行きたい

せめて限られた時間なのならば
少しでも多くあなたの側にいさせて


私は1秒でも長くユラクといられるように神に祈りながら

今日も静かに眠りにつく

1/12/2024, 12:26:41 PM

「ねえ、私達ってずっとこのままだよね?」

私は、カフェの向かいでコーヒーをすする彼氏を見て言った。

「何?ずっとこのままって?」

無関心そうな彼は、携帯を眺めながら私に返事をした。

「だから、ずっと、こうして一緒だよね」

私は彼氏の態度に不安を覚えながら言う。
冷たいというか、今いち私のことが好きなのか読めない彼。

クールな人が好きという私の性格の為に、こうしていつも付き合ってみるとやきもきするんだ。

「ずっと一緒なんて約束できないけど。未来のことを俺に聞かれても困るよ」

携帯から顔を上げて呆れたような顔で私を見る彼。

「そ、それは約束っていうか、必ずはないかもだけど、こういう時って嘘でもいいから、合わせるものじゃないの?」

私は一緒にいるって言ってほしくてさらに追求する。

「嘘で言って嬉しいの?」

彼の冷たい瞳は揺らがない。

「いや、それは、嬉しくないけども・・・」

私がしどろもどろになると、彼はため息をついた。

呆れられちゃったかな?

「分からないかな?」

「え?何が?」

彼の言葉に訳が分からず聞き返す。

「今こうして君との時間作ってるのは、君が一番大切だから。未来なんて不確定なものより、今確定してることを大事にしたら?」

「あ・・・」

言われて気づく。そうだね、私、不安ばかりで、今より将来のことばかり考えてた。

「そうだね、今会ってる時間を大事にするね」

私が彼にほほえむと、彼の表情も少し緩む。

彼の表情が優しくなるときがたまらなく好きだ。

「好きだよ」

と私が笑いかけると、

「知ってる」

とすまして言う彼。

冷たいように見えるけど、私は彼の優しさも知ってるんだ。

だから、何年後も一緒にいられるように、彼といる時間を大切にしたいと心から思った。

1/11/2024, 11:32:46 AM

「寒い〜寒い〜」

私はガチガチ震えながら塾の帰り道を急いでいた。

自転車という交通手段を取っている為、余計に北風が敵のように吹き付けてくる。

肌に当たって乾燥するっ、しかも手は氷みたいに冷たいよ〜。

半ば涙目の私。

家を出る時に、遅刻寸前で、マスクは何とか掴んで来たけど、いつもの、手袋、マフラー、イヤーマフセットを忘れてきてしまった。

余裕があれば、カイロもポケットに入れて来たかった程、寒がりなんだよね。

「あ、柚月じゃん!」

不意に呼び止められて、止まると、コンビニから出てきた私の友人が手を振ってた。

「真希!偶然、買い物?」

コンビニの方へ向かい、自転車を止めてから聞くと真希が笑顔で頷く。そして、顔をわずかにしかめると、手をすり合わせて言った。

「おにーちゃんにお金上げるから買ってこいってお使い頼まれて。でも、寒くてさー、来るんじゃなかったよ」

「分かる。私なんて自転車だよ?寒いよ、今日急いでて、手袋もマフラーも忘れちゃった、もー氷の世界だよね」

その言葉に真希は苦笑した。

「柚月って極度の寒がりだもんね〜。あ、でも私と会えて運いいよ、はい、これ。」

そう言って、真希が、コンビニの袋から取り出したのは、ホカホカした肉まんだった。

「お金余ったから、沢山買ったんだ。あげるよ」

「え?いいの?」

私の声が思わず弾む。
目は肉まんに釘付けになってる。

「いいよー、はい、あったまって」

「ありがとう」

肉まんを、受け取ると、柔らかくて温かい感触に感動する。

「いただきまーす!」

一口頬張ると、肉汁たっぷりのフワフワの生地が口の中で広がっていく。

「おいしー」

そう言うとパクパクとあっという間に食べてしまった。

「すごい勢いだね!」

目を丸くする真希。

「塾帰りでお腹すいてたの、すっごく助かった、暖まったし。明日学校でジュース奢るね」

私が至福の気持ちで感謝を告げると、

「やったっ、私のお金じゃないけど、得しちゃった♪」

真希は嬉しそうにしてる。
確かに、お兄さんのお金って言ってたな・・・。

それから、私達は真希の家まで一緒に歩いてそこで別れた。

そこからの家までの道のりはまだ長い。

でも、肉まんパワーで、頑張って進むぞ!

私は手と耳と顔が次第に冷えていく中、さっき食べた肉まんの美味しさと温かさに励まされながら、また自転車を漕ぎ出したのだった。




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