「ねえ、私達ってずっとこのままだよね?」
私は、カフェの向かいでコーヒーをすする彼氏を見て言った。
「何?ずっとこのままって?」
無関心そうな彼は、携帯を眺めながら私に返事をした。
「だから、ずっと、こうして一緒だよね」
私は彼氏の態度に不安を覚えながら言う。
冷たいというか、今いち私のことが好きなのか読めない彼。
クールな人が好きという私の性格の為に、こうしていつも付き合ってみるとやきもきするんだ。
「ずっと一緒なんて約束できないけど。未来のことを俺に聞かれても困るよ」
携帯から顔を上げて呆れたような顔で私を見る彼。
「そ、それは約束っていうか、必ずはないかもだけど、こういう時って嘘でもいいから、合わせるものじゃないの?」
私は一緒にいるって言ってほしくてさらに追求する。
「嘘で言って嬉しいの?」
彼の冷たい瞳は揺らがない。
「いや、それは、嬉しくないけども・・・」
私がしどろもどろになると、彼はため息をついた。
呆れられちゃったかな?
「分からないかな?」
「え?何が?」
彼の言葉に訳が分からず聞き返す。
「今こうして君との時間作ってるのは、君が一番大切だから。未来なんて不確定なものより、今確定してることを大事にしたら?」
「あ・・・」
言われて気づく。そうだね、私、不安ばかりで、今より将来のことばかり考えてた。
「そうだね、今会ってる時間を大事にするね」
私が彼にほほえむと、彼の表情も少し緩む。
彼の表情が優しくなるときがたまらなく好きだ。
「好きだよ」
と私が笑いかけると、
「知ってる」
とすまして言う彼。
冷たいように見えるけど、私は彼の優しさも知ってるんだ。
だから、何年後も一緒にいられるように、彼といる時間を大切にしたいと心から思った。
1/12/2024, 12:26:41 PM