ミントチョコ

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1/4/2024, 12:28:13 PM

「幸せって何だろーね」

学校で私が友達と雑談中ポツリと呟くと、友達は不可解なモノでも見るような顔をして私を見る。

「どうしたの?いきなり」

「うーん、何か、この国に産まれて、住むとこも勉強の環境も整ってて、食べるものもあって、あまり不快を感じることがないのね、私。だからそれが幸せなのかなーって」

「そうだよね、こうしてただ、当たり前にあって気付けないものって意外とあるのかもね・・・」

友達が、感心したように私に言った。

「うん、恵まれてるんだよ。でも、こう幸せだなーって実感もなくて。幸せなのかな、幸せなんだよね、きっとって自分を、言い聞かせてる気がする」

私の言葉に友達が、同意する。

「わかる気がする。まあ、私は、何か落ち込むことがあってこその幸せかな、とは思うよ。ずっと幸せなら、幸せしか知らないことになって、不幸が分からないから、幸せの有難みも分からないって何かで読んだな〜」

友達の言葉に妙に納得する私。

「そっかー、じゃあ、私がこうして、何か落ち込んだり、悩んだりすることにも意味はあったんだね」

「そーだよ、沢山考えるといいよ」

友達にくしゃくしゃ、と髪を撫でられる。

「ちょっとー髪がぁ!」

私の抗議の手を素早くよける友達。
二人でこうしている時間も案外幸せなのかもしれない。

1/1/2024, 1:12:41 PM

新年の地震、とても驚きましたし、心も痛みました。
皆さんの無事を心からお祈りしています。
寒い日が続いているので、体調にはどうぞ気をつけて下さい。

12/31/2023, 12:58:58 PM

「大晦日ねぇ、紅白見ましょうか!」

お母さんの弾んだ声。
テレビのリモコンをオンにするお父さん。

机の上には豪華なオードブルと年越し蕎麦と、ケーキ、乾杯用のジュースも揃ってる。 

「はーい」

と言いながら、本当は好きな配信者のYouTube配信見たいのにな、と内心思う私。

だけど、たまにの大晦日。今日は家族と過ごすとするか。

小学校の弟が、はしゃいで家族全員のグラスに飲み物を注いでいる。

紅白の歌を聞きながら、家族揃ってグラスを持ち上げる。

お父さんが乾杯の音頭をとる。

「えー、今年も1年お疲れ様でした。掃除もみんな頑張ってくれたので、とっても綺麗になりました。また来年も、健康で、仲よく暮らしましょう!乾杯!」

「乾杯〜!」

チンっ

グラスを弟と両親と軽く合わせる。

中に入っている透明なサイダーがゆらっと揺れる。

「おかーさん!もう食べてもいい?」

弟が、ご馳走に待ちきれなくなったらしくお母さんに聞いている。

「いいよー、沢山たべてね。お父さんと二人の好きなもの沢山買ってきたから」

お母さんがニコニコしながら私と弟を見て言う。

「やった!ありがとう、お母さん」

私と弟は早速ご馳走を取り箸で各々取り出す。

いつもは全員揃うことのない食卓。

四人でわいわい賑やかにご馳走を食べる私は、やっぱり1年のこの、四人で年を越す大晦日が好きだ。

家族三人の顔を見回しながら思う。

今年も1年、ありがとう、来年も、よろしくね!

12/30/2023, 11:39:31 AM

「1年間いろいろあったなあ」

12月31日

私は机に座って、日記を書く手を止めて、1年間の回想をしていた。

高校の入学式で、緊張したこと。

5月の体育祭で、実行委員をやることになって、友達がとても増えたこと。

友達が出来て賑やかな7月、花火やお祭りに行って楽しかったこと。

9月になって、実行委員仲間の一人が気になって仕方なかったこと。

10月、修学旅行、気になっている男の子と一緒の班になって、沢山話したこと。

11月、思い切って告白すると、好きって言ってもらえて、幸せの有頂天だったこと。

そして、12月、クリスマスに、初彼氏と一緒に過ごした。
一緒にカフェに行って、水族館に行って、楽しかったなぁ。

そう回想していると、私の携帯がメールの着信音を告げる。

「何してた?早く会いたいな。今年はありがとう、来年も、よろしく!」

彼氏からのメールの文に私の顔は綻ぶ。
こうして大事な人がいることがとても嬉しくて、ずっとずっとこれからも一緒にいたいと思った。

私は返信画面を開いたまま、どう返そうかな、と口がニヤけるのを止められずに、返信文を打ちだした。

12/29/2023, 11:45:52 AM

こたつに入ってくつろぐ私は、卓上に置いてある丸い入れ物に入ったみかんを見る。

「一つ食べちゃおーっと」

それを見ていた妹が釘をさすように言う。

「あーまた。私が見てるだけでもお姉ちゃん、今日3個はみかんを食べてるよ?太るよ」  

横でこたつに入って読書している妹にイーッとしてやる。

「いいんだもんっみかんは低カロリーだし、それに・・・」

ほこほこしたこたつの中にいると、条件反射的にみかんに手が伸びちゃうんだから。

「ふーん、ミカン人間になっても知らないから!」

そう言うと、妹は、本をパタリと閉じて、リビングを出ていく。

「なによーミカン人間ってー!」

私は妹が消えた後に呼びかけるが、返答はない。

「さてと」

邪魔者が消えた所でみかんの皮をむく。

甘酸っぱい匂いが鼻をくすぐる。みかんの皮をむいて行くと、甘酸っぱい果実が姿を現して、期待が沸いてくる。

三日月型のみかんのフォルムも可愛いと思う。

薄皮を取って口に入れると、みかんの果肉が口の中一杯に広がって幸せだ。

こたつの暖かさも幸せの相乗効果になっている。

「うーん、やっぱり冬はみかんに限るよね〜!」

私は誰もいないリビングで、頬に片手を当てて思わず叫んでいた。

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