「大晦日ねぇ、紅白見ましょうか!」
お母さんの弾んだ声。
テレビのリモコンをオンにするお父さん。
机の上には豪華なオードブルと年越し蕎麦と、ケーキ、乾杯用のジュースも揃ってる。
「はーい」
と言いながら、本当は好きな配信者のYouTube配信見たいのにな、と内心思う私。
だけど、たまにの大晦日。今日は家族と過ごすとするか。
小学校の弟が、はしゃいで家族全員のグラスに飲み物を注いでいる。
紅白の歌を聞きながら、家族揃ってグラスを持ち上げる。
お父さんが乾杯の音頭をとる。
「えー、今年も1年お疲れ様でした。掃除もみんな頑張ってくれたので、とっても綺麗になりました。また来年も、健康で、仲よく暮らしましょう!乾杯!」
「乾杯〜!」
チンっ
グラスを弟と両親と軽く合わせる。
中に入っている透明なサイダーがゆらっと揺れる。
「おかーさん!もう食べてもいい?」
弟が、ご馳走に待ちきれなくなったらしくお母さんに聞いている。
「いいよー、沢山たべてね。お父さんと二人の好きなもの沢山買ってきたから」
お母さんがニコニコしながら私と弟を見て言う。
「やった!ありがとう、お母さん」
私と弟は早速ご馳走を取り箸で各々取り出す。
いつもは全員揃うことのない食卓。
四人でわいわい賑やかにご馳走を食べる私は、やっぱり1年のこの、四人で年を越す大晦日が好きだ。
家族三人の顔を見回しながら思う。
今年も1年、ありがとう、来年も、よろしくね!
12/31/2023, 12:58:58 PM