こたつに入ってくつろぐ私は、卓上に置いてある丸い入れ物に入ったみかんを見る。
「一つ食べちゃおーっと」
それを見ていた妹が釘をさすように言う。
「あーまた。私が見てるだけでもお姉ちゃん、今日3個はみかんを食べてるよ?太るよ」
横でこたつに入って読書している妹にイーッとしてやる。
「いいんだもんっみかんは低カロリーだし、それに・・・」
ほこほこしたこたつの中にいると、条件反射的にみかんに手が伸びちゃうんだから。
「ふーん、ミカン人間になっても知らないから!」
そう言うと、妹は、本をパタリと閉じて、リビングを出ていく。
「なによーミカン人間ってー!」
私は妹が消えた後に呼びかけるが、返答はない。
「さてと」
邪魔者が消えた所でみかんの皮をむく。
甘酸っぱい匂いが鼻をくすぐる。みかんの皮をむいて行くと、甘酸っぱい果実が姿を現して、期待が沸いてくる。
三日月型のみかんのフォルムも可愛いと思う。
薄皮を取って口に入れると、みかんの果肉が口の中一杯に広がって幸せだ。
こたつの暖かさも幸せの相乗効果になっている。
「うーん、やっぱり冬はみかんに限るよね〜!」
私は誰もいないリビングで、頬に片手を当てて思わず叫んでいた。
12/29/2023, 11:45:52 AM