「幸せって何だろーね」
学校で私が友達と雑談中ポツリと呟くと、友達は不可解なモノでも見るような顔をして私を見る。
「どうしたの?いきなり」
「うーん、何か、この国に産まれて、住むとこも勉強の環境も整ってて、食べるものもあって、あまり不快を感じることがないのね、私。だからそれが幸せなのかなーって」
「そうだよね、こうしてただ、当たり前にあって気付けないものって意外とあるのかもね・・・」
友達が、感心したように私に言った。
「うん、恵まれてるんだよ。でも、こう幸せだなーって実感もなくて。幸せなのかな、幸せなんだよね、きっとって自分を、言い聞かせてる気がする」
私の言葉に友達が、同意する。
「わかる気がする。まあ、私は、何か落ち込むことがあってこその幸せかな、とは思うよ。ずっと幸せなら、幸せしか知らないことになって、不幸が分からないから、幸せの有難みも分からないって何かで読んだな〜」
友達の言葉に妙に納得する私。
「そっかー、じゃあ、私がこうして、何か落ち込んだり、悩んだりすることにも意味はあったんだね」
「そーだよ、沢山考えるといいよ」
友達にくしゃくしゃ、と髪を撫でられる。
「ちょっとー髪がぁ!」
私の抗議の手を素早くよける友達。
二人でこうしている時間も案外幸せなのかもしれない。
1/4/2024, 12:28:13 PM