kiliu yoa

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10/5/2024, 4:26:05 PM

かつて、天動説が正しいとされていた時代があった。

天体によっては日々位置が異なり、太陽は東から昇り西へ沈む。

それなら、私のような無学の者は勿論、日々天体を観測する学者でさえ、

天動説が正しいと思うに違いない。


しかし、天動説に異を唱え、地動説を唱えた者が僅かに存在した。

当時は、望遠鏡の精度が悪いなどの天体の観測技術が乏しかったこと、

古代とは異なり、中世は宗教色の濃い時代であったこと、

(決して、宗教色が濃いからといって、その時代が悪いのでは無い。

 古代と比べて衰退した学問は在るが、

 芸術面では著しい進歩を遂げたという良い面も在る。)

天体観測が行われていた、おもな地域で信奉されていた一神教において、

人間が存在する地球が特別視されていたこと。

万学の礎を築いた、アリストテレスが天動説を唱えたことなどが重なり、

地動説を唱えた学者たちは、宗教的、政治的理由によって、

多くの場合、異端とされ、拷問され、処刑された。

しかし、地動説の研究は続けられ、

現在では、天体観測技術の進歩などにより、地動説が正しいと証明された。


何が言いたいかというと、

現在において、正しいとされていることを無理に信じたり、

無理に受け入れたり、しなくとも良いのだ。

現在はインターネットの普及とともに、

匿名で自在に情報の発信、共有が可能となった。

それは、組織や国などに囚われない、

情報操作のされていない、現実や事実、真実を気軽に知ることが出来る。

それは、素晴らしいことだと思う。

しかし、個人のより偏った視野、より偏った思考などが

実際より誇張して現れているようにも思う。


だから、無理するな。

年月は過ぎれば一瞬だが、人生は果てしなく長い。

自分の声という心地良さを知り、自分の声というの欠点を受け入れ、

自分の声を愉しみ、自分の声が聞こえる場所を見つけなさい。

もし、また自分の声が小さくなったり、聞こえなくなったのなら、

新たに、自分の声が聞こえる場所をまたゆっくり探せば良い。






9/28/2024, 1:23:23 PM

手の中に お菓子潜ませ 開いては 悲しみ晴れる 愛しき子

9/25/2024, 2:31:00 PM

葉の色が 変わりゆくさま 眺めるは 過ぎ去る日々の 知らせ文かな

 

9/24/2024, 2:36:40 PM

雪のように白く、彼女の腰まである髪は風になびく。

草原に、彼女はひとりで座っていた。

珍しく帽子は被っておらず、心配になって彼女のもとに急いだ。

私は、羽織っていたジャケットを彼女の頭に被せる。

「ありがとう。」

彼女は、眩しそうに目を細め、そこから紫の瞳が覗いていた。

そして、私を見上げて微笑んだ。

「どういたしまして。」

私は、彼女を抱きしめた。

彼女は、日光に弱い。

彼女の淡い色素では、日光が強過ぎるのだ。

だから、内心とても心配した。

しかし、その言葉は飲み込む。

彼女の行動は、できる限り束縛したくはないから。


「そういえば、古い知人を招待したって聞いたよ。」

「そうなの!聞いて!

 久方ぶりに、彼と漢詩を詠み合ったの!

 わたしはやっぱり腕が落ちてたのだけど、

 彼は相変わらず、とても繊細で情景描写の美しさが際立つ、

 素晴らしい漢詩を詠んでくれたのよ。

 本当に愉しい、ひと時だったわ。

 まるで昔に戻ったみたいで、このひと時がずっと続いて欲しい。

 そう思うほどだったわ。」

彼女は、いつになく饒舌で恍惚の笑みを浮かべていた。

私は、夫失格かもしれない。

いや、最低な人間かもしれない。

彼女が喜びに満ちているのに……、素直に喜べない。

それどころか、酷く傷付いた。

嗚呼、彼女をここまで喜ばせれた人間が……夫の私では無かった。

その事実を、私は……恐らく許せないのだ。

きっと、私は見ず知らずの『彼』に嫉妬しているのだ。

私と彼女は、互いに惹かれて結婚した訳では無いのに。

私は、きっと彼女の夫の1人として、それなりに彼女に尽くして、

それなりに彼女を気遣って、うまく夫婦をやっていると思っていた。

だから、だろう。

もしかすると、私は妾では無く、

彼女の4人の夫のうちの、1人だという奢りが有ったのかもしれない。


きっと、今、私は酷い顔をしている。

微笑みは、引きつり、涙が溢れる。

「あら、どうしたの?」

彼女は心配して、私の輪郭を両手で覆う。

そして、流れる涙を指先で拭う。

「ごめん。」

掠れた、涙声で私は応える。

「いいのよ。わたしたちは、夫婦なのだから。

 涙が溢れたのなら、それに寄り添うのが夫婦でしょ。」

優しく、穏やかな声に安心する。

気づいたら、声に出していた。

「『彼』に嫉妬してしまったんだ。

 嗚呼、こんなにも君を喜ばせることが出来るのか、って。

 それが私で無いことが、悔しかったんだ。

 ごめんね、こんな情けない人間で。」

私は、吐き出した。

「いいえ、決して情けなくなど無いわ。

 わたしのことを、そんなふうに想ってくれて、ありがとう。」

彼女は、私を抱きしめる。

暖かくて、安心する。

「こちらこそ、ありがとう。私の妻で居てくれて。」

彼女が私の妻で、本当に良かった。












9/20/2024, 3:01:00 PM

ねえ、あなた。愛しているわ。

ねえ、あなた。いつも、ありがとう。

ねえ、あなた。待っていて。

いつか、私と出逢うまで。

約束するわ、あなたを必ず満たし、幸せにすると。

だから、待っていてね。約束よ。





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