君の黄金色の髪の隙間を風が吹き抜ける。一本一本が太陽の光を反射して輝く様は、まるで実り豊かな麦畑のようだ。この世界の光景が、隅々まで同じように、美しくあればいいのに。
「あっ」
君が何かに気づいて、私の方を振り向く。
「今の風は、わかるよ」
そう言って、ふふっと穏やかに笑う。
「君は楽しいんだね」
また一層強い風が、二人を包み込む。
私が心躍る時、風もまた私に応えるのだ。
#ココロオドル
※今日は思いつかないので自分のこと
趣味で一次創作をしていますが、ここ数年書けないので練習中です。「私」とか「あいつ」とかで名前を伏せていますが、いつもそのオリキャラの小噺を書いています。3作品あって、彼らはそのどれかの登場人物です。
①高校生たちのお話
②異世界ファンタジー
③とある二人の日常のお話
総勢100人くらいいるので、日によってだいぶ雰囲気が変わります。お題から頭に浮かんだ子で書いています。気が向いたらキャラ名くらいは出すかも知れません。
#束の間の休息
容器の蓋が開かない。腹が立つので地面に叩き付けるか、あるいは剣で叩き割ろうかと思ったが、そんなことをすればあの方に怒られる気がする。
仕方がないので馬鹿力のあいつを呼ぶことにした。
「お前俺のことを便利な道具か何かだと思ってるよな?」
「当然」
使えるものは使って何が悪い。
「早くしろ」
はあー、と大きなため息が聞こえる。
「ふんっ」あいつが思いっきり力を入れて蓋を回すと、ミシッ。開くと同時に、妙な音がした。
あいつは自分の手の中のものを恐る恐る覗くと、私に向かってバツが悪そうに言った。
「……本体にヒビが入った」
#力を込めて
君が俺のことを忘れてしまった時、絶望して何度も"死"が頭をよぎった。それでももう一度君に会いたくて、どうしても諦められなくて、生きながられた。そうしたら神様が、俺の願いを聞き入れてくれた。でも今の君は、前の君とはほんの少し違う。
「髪伸びたね」
「似合うだろ?」
君は何だか得意気だ。
#過ぎた日を想う
TVをつけたらたまたま星座占いをやっていた。そこでふと思い立って、友人にクイズを出してみた。
「俺は何座でしょう!」
友人はいきなりなんだと顔を顰めたが、俺の後ろにあるTVの画面を見て察しはついたようだ。しかし、
「知るか」と一言。
「当ててみて」
友人は5秒くらい宙を仰いでから、
「犬座」と言った。
「……ないよ」
興味はないだろうなと思ってはいたが、予想以上で笑いをかみ殺すのに苦労する。
「おい」
そんな俺の隣で、友人は渋い顔をしていた。
#星座