鏡の中の自分
鏡の中の自分は
泣いてる?
笑ってる?
怒ってる?
喜んでる?
それとも
そのどれでもなく
無表情 無感動 = 無価値?
あの日
無意識に感情を押し殺すことを始めた
あの日から
そのことに気づいた日
感情を表現出来るようになった今
改めて
鏡には何が映るのだろう
哀愁をそそる
哀れだなあと思う
とても高くて
頑丈で
乗り越えられない壁
私を拒む崖
のように思っていたのに
今は
老いさらばえた 唯の人
時の流れは残酷で平等だ
いつか私もそちら側に行くのだろう
眠りにつく前に
眠りにつく前に、私は音楽を聴く。
ご近所に配慮して、ヘッドホンで。
最近は、ゴンチチ。
代表曲の「放課後の音楽室」は
もちろん素敵。
音と音の余韻、空気感を感じるのが
聞きどころではないかと思う。
それと同じくらい素晴らしいと思うのが、
「My Favorite Things」のカバーアレンジ。
アジアの楽器?まで使って、かなり個性的。
これを聴いたらテンションが上がって逆に
眠れない?
永遠に
私の好きなバンドのファンは、
自分に、ペンネームのような
「ライブネーム」をつけて、
ファン同士の交流時にはその名で呼び合う
といった習慣があった。今でもあるのかな?
その昔、ライブ会場で見たことのない
そのバンドメンバーの写真入りTシャツを着た子たちがいて、話しかけた。
自分たちで作ったオリジナルTシャツだと
いう。版権…という気もしたが、
気合いは十分な子たちだ。
言葉がおぼつかない。
アジア圏から来たという。凄い。
お名前を聞くと、
「私のライブネームは、えいえんです!」
えいえん…永遠か。
とわ、とかの方が可愛いよ、
という語学力が私には無い。
その子とはそこから友情が永遠に続いている
のだったら良かったが、
手紙の一往復くらいで終わってしまった。
手紙、というのも時代だな。
理想郷
「我々は、この現代に
真の理想郷実現のために、
日々精進しております!
そんな我々のために、どうかどうか
あなた様の浄財をご寄付ください!」
駅前で声を枯らしてこう主張する彼。
我々、という割にいつも1人だ。
人々はそんな彼の脇を見向きもしないで
すり抜けていく。
彼の考える理想郷。人々は美しくたおやかで、争い事や醜い嫉妬も知らず、動物や植物とも助け合って暮らしている。
彼はこう呼ばれている。
理想狂、と。
懐かしく思うこと
「ちょっと!
なに人の提出ノート読んでるのよ!」
自室の扉を開けるなり、
私は怒り狂って叫んだ。
ノートには、
私と担任の先生との日誌が書いてある。
今日は何々を頑張りました、程度だが、
母に読ませる前提で書いたものではない。
母は、びくっとし、泣き出しそうな顔を
歪めて言った。
手にはノートを持ったままだ。
「だって、お前、学校のこと、
全然話してくれないから、心配になって…」
今でもそのときの母の顔、口調を思い出すと胸がちくりとする。母なりに心配してくれたのだろう。ノートを盗み読む前に、私に
普通に聞けばいいのにと思うが。
胸の痛くなる、懐かしく思うこと。