ことり、

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12/6/2025, 3:56:21 PM

消えない灯り


比叡山延暦寺(滋賀県大津市):
天台宗の開祖である最澄が延暦寺を開いた際に灯した「不滅の法灯」は、1200年以上にわたり一度も消えたことがないとされています。

弥山・霊火堂(広島県廿日市市・宮島):
真言宗の開祖である弘法大師・空海が修行の際に灯したとされる火が、「消えずの火」として霊火堂で1200年以上燃え続けています。

しかし私は見た。Xの動画で。
いつかのオリンピックの聖火リレー。
ランナーが転けて、火が消えたように。
そのとき、傍らの警備員が、
私物であろうライターの火を、
何事もなかったように、
トーチに付けたのを。

まあ、ドンマイ!こんなこともあるさ〜

11/30/2025, 5:42:14 PM

君と紡ぐ物語


糸繰り からから

糸繰り歌 唄おう


糸(いと)や切(き)りりば 結(むす)びむなゆり

  (囃子)スラーヨーイヨーイ

縁(えん)ぬ切(き)りりば スラヤーヌヤー 結(むす)ばれぃゆむぃ

トコヤヌ スラヤーヌ バイドゥガ ジュイジュイ

大意:糸は切れたら結びなおすことができますが、人の縁が切れたら 結びなおすことはできません。

(奄美民謡『糸繰り節』)

あなたとわたし 撚り合って 紡がれて
螺旋の糸 ぐるぐる ぐるぐる

いつまでも いつまでも 途切れずに
遺伝子のなか 唄おう
あなたとわたしの物語

11/28/2025, 11:52:58 AM

霜降る朝


…さむい、ね

少女は初めての感覚に戸惑いつつも、
両の手にハアッと息を吐かけた。
その手の甲に刻まれた、
所有者の印と、ナンバーが痛々しい。

夜通し、工場から走った。
昼も夜もなく働かされ、
食事も満足に貰えない。
監視の目を盗んで、
隣のブースの少年と話した。

ー北に北に歩いてゆくと、
大きな湖があって、
じゆうのくに に行ける舟が出てるんだよ。
湖も、じゆう の意味も
わからなかったけれど、方角は分かった。

さむい。
体からエネルギーが奪われてゆく。
視界も霞む中で、突然平原が切れた。
きっとこれを湖というのだろう。
小さな手漕ぎの舟と、渡し守。

ー行くのかい?じゆうのくにへ。
少女はこくこくと頷(うなず)くと、
舟へと倒れ込んだ。

渡し守は、静かに櫓を漕ぐ。
じゆうを求める、
1人のアンドロイドを乗せて。

11/26/2025, 7:44:48 AM

落ち葉の道


今日は少し足を伸ばして、
2人は紅葉が綺麗なことで有名な
神社にやってきた。

「わあーっ、モミジにイチョウ、
マツ…は緑か。こっちは、
ハナミズキだって!こんな真っ赤に
なるんだあ。『うーすべにいろーのー、
かわいいきみーのねえー』」

普段は自然なんかに興味なさげな、
同い年のアツト。鼻歌まで飛び出して、
なんだかはしゃいでいる。まるで犬みたい。とマナミは思う。

屋台のお団子や、たこ焼きを楽しみ、
次にアツトが見つけたのは、
おみくじだった。
「おみくじ、おみくじしよう!
えーと、15番。マナミは?87番。
まだ見ないで!せーのでいくよ。せーの…あ」

マナミは中吉。まあまあなところだろう。
アツトは、凶、しかも大凶だった。

明らかに落ち込むアツト。しまいには、
「もう俺、この神社来ないから!
絶対、二度と、来ない!」
口を尖らし、むくれるアツト。
そうだ、この人、お店だとか、
第一印象が大事な人だった。
この神社、素敵なのにな。

「もういい。帰ろう、マナミ。
もー、俺のそばにいてくれるのは
マナミだけだよな」

そう言って、マナミのリードを引くアツト。今日の夕ご飯はカリカリの何味かな。
こないだのチキン味がいいなあ。
真っ白な尾っぽをピンと立てて、
気もそぞろな犬のマナミと、
まだ落ち込み気味のアツトだった。
そんな2人の歩く、落ち葉の道。

11/24/2025, 4:21:37 PM

君が隠した鍵


君は逝ってしまったね

僕の大切なもの 少しずつポケットに
入れたまま

プラモデルの最後のピース

思い出ボックスの綺麗な貴石

2人で撮った最初の写真

2人の 2人だけの指輪の片割れ…

悪戯っぽそうな君の笑顔が浮かぶ
「こっちに来ないと、返してあげないよ!」って

僕の心も 薄っすら欠けたまま
君のいない世界でも今日を生き抜くよ

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