ことり、

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9/16/2024, 2:29:51 PM

空が泣く


振動を肌で感じる
立ち上がる水のにおい
パタ、パタ、パタ、と小人たちの足音
ラジオに混ざるノイズ
洗濯物を取りこむ女

熱帯の海で生まれた
雷雲が押し合いへし合いして
極東のこの地にやってきた
木々は緑を増し
人間は青くなる

本当は
浴びたい
雷雲のパワーを
風を
雨を
この身体いっぱいに

…流石にそんなこと出来はしなくて
安全な鉄筋コンクリートのなかで
夢想しながら
ひっそり
詩を書いている

9/11/2024, 4:00:17 AM

喪失感


喪った事さえ忘れてしまえれば幸せだと
薄く笑ったその人は
3日ののちの闇夜の晩に
この世の人ではなくなった

喪った事さえ忘れるとは
その人の生きてた記憶すら
残った人から無くなること
それこそが真の死だ

愛している 愛していた
憎んでいる 憎んでいた
感情を刻みつけて

心を溶かす 甘い囁きも
心を抉る 酷い言葉も
忘れられない為の仕組みなのか

9/9/2024, 2:59:02 PM

世界に一つだけ


この世界はいろんな人がいるよねえ
こいつ生きてても仕方ないだろって
ヤツもいれば
こいつほんとに実在するのかなほんとは
AIか何かが作った作品なんじゃないかなってヤツもいて
そんな中
あたしは最低までいかなくても
「低」に近いとこにいて。

地頭、稼ぐ能力、人間関係調整力、体力、気力、空気を読む力、ルックス、スタイル、歌って踊れる?etc etc.

無いなあって思う でも今この瞬間に 
あたし
っていう意識を持って
この世界に存在するのはあたしだけ
それはやっぱすごいことなんかな?

この世界は人がどっちゃりいて
たまにぐえってなるけど
まあなんとか生き抜いていこうと思う。
おわりー。

9/3/2024, 5:54:36 AM

心の灯火


そばにいてほしい
それは僕がどんな小さな声で
泣き言を言う時でも
君に届くように
大声で叫ぶのは
それだけで消耗してしまうから

そばにいてほしい
それは僕が涙こぼす時に
君も一緒に濡れてほしいから
1人分の涙は
2人分の体温で乾かすといい

心の灯火よ
いつも僕のそばにいてくれる
もう1人のぼく

8/30/2024, 4:00:04 PM

香水


優しくて
繊細で
それでいて芯は強い
そんな人だった

その人が来るのは香りで分かった
いつも同じ香水を纏っていた
その理由も
なんの銘柄なのかも
ついぞ聞けなかった

ある時気づいた
香水は
あの人の涙なのだと
涙で
テリトリーを作り
自分自身を守っているのだと

脆くて
折れそうな自分を護り
奮い立たせる
あの人にとって
香水は
涙のアーマー(鎧)だったのだ

あの人は
今も
アーマーを纏っているのだろうか
それとも

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