空が泣く
振動を肌で感じる
立ち上がる水のにおい
パタ、パタ、パタ、と小人たちの足音
ラジオに混ざるノイズ
洗濯物を取りこむ女
熱帯の海で生まれた
雷雲が押し合いへし合いして
極東のこの地にやってきた
木々は緑を増し
人間は青くなる
本当は
浴びたい
雷雲のパワーを
風を
雨を
この身体いっぱいに
…流石にそんなこと出来はしなくて
安全な鉄筋コンクリートのなかで
夢想しながら
ひっそり
詩を書いている
喪失感
喪った事さえ忘れてしまえれば幸せだと
薄く笑ったその人は
3日ののちの闇夜の晩に
この世の人ではなくなった
喪った事さえ忘れるとは
その人の生きてた記憶すら
残った人から無くなること
それこそが真の死だ
愛している 愛していた
憎んでいる 憎んでいた
感情を刻みつけて
心を溶かす 甘い囁きも
心を抉る 酷い言葉も
忘れられない為の仕組みなのか
世界に一つだけ
この世界はいろんな人がいるよねえ
こいつ生きてても仕方ないだろって
ヤツもいれば
こいつほんとに実在するのかなほんとは
AIか何かが作った作品なんじゃないかなってヤツもいて
そんな中
あたしは最低までいかなくても
「低」に近いとこにいて。
地頭、稼ぐ能力、人間関係調整力、体力、気力、空気を読む力、ルックス、スタイル、歌って踊れる?etc etc.
無いなあって思う でも今この瞬間に
あたし
っていう意識を持って
この世界に存在するのはあたしだけ
それはやっぱすごいことなんかな?
この世界は人がどっちゃりいて
たまにぐえってなるけど
まあなんとか生き抜いていこうと思う。
おわりー。
心の灯火
そばにいてほしい
それは僕がどんな小さな声で
泣き言を言う時でも
君に届くように
大声で叫ぶのは
それだけで消耗してしまうから
そばにいてほしい
それは僕が涙こぼす時に
君も一緒に濡れてほしいから
1人分の涙は
2人分の体温で乾かすといい
心の灯火よ
いつも僕のそばにいてくれる
もう1人のぼく
香水
優しくて
繊細で
それでいて芯は強い
そんな人だった
その人が来るのは香りで分かった
いつも同じ香水を纏っていた
その理由も
なんの銘柄なのかも
ついぞ聞けなかった
ある時気づいた
香水は
あの人の涙なのだと
涙で
テリトリーを作り
自分自身を守っているのだと
脆くて
折れそうな自分を護り
奮い立たせる
あの人にとって
香水は
涙のアーマー(鎧)だったのだ
あの人は
今も
アーマーを纏っているのだろうか
それとも