ことり、

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4/22/2025, 3:13:26 AM

ささやき


呪い

可愛く なんかない
綺麗 でもない
スタイルも 性格も 普通以下

私に かけられた 呪い
「お前は 愛されない」

私に
私にさわって だきしめて 
それは嘘だといって
わたしは愛されるにあたいする 
にんげんだと

呪いを壊して
壊して
壊して
壊して


4/14/2025, 11:43:27 AM

未来図
















季語 桜草 春の季語 晩春

4/14/2025, 6:00:26 AM

ひとひら


ことば ひとひら 救われる
ことば ひとひら 毒される

ことば くるくる 万華鏡
救われて 毒されて それでも
まえをむく

4/12/2025, 1:06:20 PM

風景


日常を過ごしていて、ふと
風景が鮮やかに浮かぶことがある

車で通ったあの道

あの人と歩いた公園

二度ともう、行けない、行かない風景たち

わたしの脳から いつかは
零(こぼ)れ落ちる風景

誰にも伝えられないわたしだけの風景

箱庭のよう わたしの脳に咲く
風景たち…

4/11/2025, 3:54:23 AM

夢へ!


夢なんか無い。ただ生き延びる。
かっぱらい、
万引き置き引きなんでもござれ。
この街で脚だけは早くなった。
浮浪児なんて皆見ない。視界に入りこそすれ
彼らは風景だ。
壁の落書きや酒瓶のケースと同じ。
彼らは街のそこらのがらくたと同意だった。

そんなある日。
腹を空かせた彼は、
街角のパン屋の店先からパンをくすねた。
盗られるようなところに置くのが悪い。

「あっコラ、待てクソガキ!」
客には愛想のいい店主が、本音の顔を見せて
よたよたと追いかける。
その隙に仲間がもう2つ、3つと
パンをくすねているだろう。

大通りを駆け抜け、脇道を通り、
柵を越えて。

彼はこの脚でどこまでも。

しかし、横道から現れた壮年の男性に、
彼ははっとして立ち止まった。
その男は伝説の短距離ランナー。
この街の誇りだ。
2人は何も言わずに見つめあった。
過去と、未来が交錯する。

「…小僧、良い目と脚をしている。
ついてくるか?」

彼は夢への道へ、今、走り出す。

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