ことり、

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9/27/2024, 3:45:11 PM

通り雨


ふっとあの人が香った

昔から鼻がいい
お母さんの胃が弱い時の匂いも
お父さんのパチンコ屋さん帰りも当てた

あの人はいつもこんな匂いがした
安心する匂い
クッキーの入ってた空き缶の懐かしさ
新しい本の冒険の匂い
鏡台の引き出しのわくわく

バスの中なのに泣きそうになる
きっと運転手さんは分かってる
通り雨の窓に顔を寄せる
こうしたらわからないかもと願いながら
杖をついたおじさんに気づく
次のバス停で降りるから
もう少しだけ泣かせてください

9/24/2024, 2:29:31 PM

形の無い物


大好きだった美容師さん。(女性)
万事控えめで、それでいて技術は確かで、
毎回いい感じの髪型に仕上げてくれる。
趣味も合って話が弾む。完璧。

ある時、話し方が少し違った。雰囲気も。
堂々として自信ありげ。
思わず、
「なんか今日、いつもと違いますね。
何というか、
輪郭がしっかりしているというか…」

うーんさすが、私、詩人?

美容師さん、パッと表情が変わった。
「えーっ、分かります⁈実は私…」

…宗教じみた
何かにハマっている話をされた。

それから少しだけ距離ができてしまった。

うーん、形の無い物、
形を決めるのは自分だけにしようぜ。
他人には触らせまいぞ。
そう思わされた出来事。

9/20/2024, 1:14:19 PM

大事にしたい


時に冷たくした。
時にそっけなく、
無視したり、
嘲笑ったり。
時に痛めつけ飢えさせ1人閉じ込めて
それを楽しんだ。

私は最低な人間だ。
世界にたった1人しかいない私に
そんなことをするなんて。
できるなんて。



私は私を大事にしたい

9/18/2024, 8:25:36 AM

花畑


俳句では、

花畠(はなばたけ) 三秋
【子季語】
花畑/花壇/花園/花圃
【解説】
「お花畑」と「お」がつくと、一面の高山植物群を意味し夏の季語となる。花畠は秋の花々を咲かせたところ。(きごさいより)

別のサイトには、
花野、花園、花圃、花壇も秋の季語 
とのこと

花畑 と お花畑 が違うとか
初見殺し…!

ちなみに三秋とは、8月8日頃(立秋)から11月6日頃(立冬の前日)までの3ヶ月間のこと 初秋・仲秋・晩秋 

9/16/2024, 2:29:51 PM

空が泣く


振動を肌で感じる
立ち上がる水のにおい
パタ、パタ、パタ、と小人たちの足音
ラジオに混ざるノイズ
洗濯物を取りこむ女

熱帯の海で生まれた
雷雲が押し合いへし合いして
極東のこの地にやってきた
木々は緑を増し
人間は青くなる

本当は
浴びたい
雷雲のパワーを
風を
雨を
この身体いっぱいに

…流石にそんなこと出来はしなくて
安全な鉄筋コンクリートのなかで
夢想しながら
ひっそり
詩を書いている

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