ことり、

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懐かしく思うこと

「ちょっと!
なに人の提出ノート読んでるのよ!」
自室の扉を開けるなり、
私は怒り狂って叫んだ。
ノートには、
私と担任の先生との日誌が書いてある。
今日は何々を頑張りました、程度だが、
母に読ませる前提で書いたものではない。

母は、びくっとし、泣き出しそうな顔を
歪めて言った。
手にはノートを持ったままだ。
「だって、お前、学校のこと、
全然話してくれないから、心配になって…」

今でもそのときの母の顔、口調を思い出すと胸がちくりとする。母なりに心配してくれたのだろう。ノートを盗み読む前に、私に
普通に聞けばいいのにと思うが。

胸の痛くなる、懐かしく思うこと。

10/31/2023, 1:18:01 PM