たぬぐん

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9/17/2025, 2:51:25 PM

「靴紐」

マジックテープの靴を卒業したのは何歳の時だったかな。
小学生高学年になった頃にお母さんが言った。

「そろそろ靴紐の上履き買う?」

難しそうだったけど、練習してみるとすぐに結べるようになった。

周りも続々とマジックテープから靴紐に移行していって、子供ながらに自分達の成長を感じた瞬間だった。

9/16/2025, 2:19:59 PM

「答えは、まだ」

全力でやろうと思った色んなものを後回しにしてきた。

テスト勉強、部活の自主練、受験勉強、ゲームのランキング、動画投稿、部屋の掃除、YouTubeで見かけた料理のレシピ。

一度は全力でやろうと思い立った事なのに、実際に他の事が手につかなくなるくらい没入した事は無い。
後回しにしていると言っても、今後取り組む予定が明確にある訳でも無い。

いつになったら全力でやるのか。
その答えは、まだわからない。

9/8/2025, 12:29:08 PM

「仲間になれなくて」

ずっと友達が欲しかった。

羨ましかった。友達といる人達が。
僕はいつも一人だったのに。

わからない。何が悪かったのか。
気づいた時には僕は一人だった。

僕の周りには誰もいなかった。
みんな僕を無視した。まるで僕の周囲だけぽっかり空いた虚無が存在してみるみたいに。

証明したかった。
僕の存在を。僕の価値を。

だからいつもより暴れ回って、僕の存在をアピールした。何故かみんなが大人しくなる授業中にも僕は皆に声をかけて、練習したダンスを披露した。

せっかく僕が勇気を出したのに、誰も反応しなかった。腹が立ったので、目の前にいた奴を殴った。
腹が立ったんだから当然だ。だってお父さんはよく僕を殴るんだもん。

結局誰も僕を仲間に入れてくれなかった。

お母さんもそうだったんだって。おかしいね、お母さんはいつもお家では大声を出して存在をアピールしてるのに。

9/4/2025, 12:01:46 PM

「言い出せなかった「」」

誰かのせいにするのが楽だった。
そうすれば自分の非を認めずに済むから。

どうしようもなくなった時は、黙って泣いていればそのうち許されたから。

そうやってやり過ごして来たから言えなかった。

「ごめんなさい」

9/2/2025, 2:01:42 PM

「ページをめくる」

そこには無数の本があった。
タイトルは様々な言語で書かれていて、名前はたまに同じものがあったが、内容が同じものは一冊も無い。

一冊たりとも同じ内容の本が無い中で、一つだけ共通点があった。
それは、1ページ目が必ず生で始まり、最後のページは死で終わる事だ。

数多の出会いと別れ、獲得と喪失、愛と憎悪、希望と絶望。
幾多の事象が記される中で、最初と最後のページだけは、例外なく同じ事象が記されていた。

この世界に生まれ落ち、そして死んでいく。
そこは、過去を生きたもの達の人生が記された図書館だった。

そして私は、一冊の本に巡り会う。
その本のタイトルは、私の名前と同じだった。
一ページずつ、私はページをめくる。

よく覚えている事も、まったく覚えてない事も、一切漏らさず私が生まれた瞬間からの出来事が、その本には記されていた。
そして今日のページを読み終わり、次のページをめくると、そこから先は白紙だった。
いつかこの本にも、死というラストが訪れるのだろう。

そして、こうして誰かに読まれる日が来るのだろうか。
わからない、予想もできない。
未来は常に白紙だ。

今後ここに訪れた誰かが、私の本を手に取ってくれますようにと祈り、私は図書館を後にした。

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