作品No.252【2024/12/08 テーマ:ありがとう、ごめんね】
〝ありがとう〟も〝ごめんね〟も、いくつ、どれだけ、言っても足りない。
私を愛してくれて、ありがとう。
泣いて見送ることになって、ごめんね。
作品No.251【2024/12/07 テーマ:部屋の片隅で】
部屋の片隅で、ただ、考える。
自分の命が終わるときのことを。
年齢で考えれば、この家族の中で最後に死ぬのは私だろう。だが、本当にそうなるだろうか。
つい先日、まだ三十代の従兄を突然の病で亡くした身としては、必ずしも年齢順に終わりが来るなど有り得ないことくらいは、もうわかっている。従兄だって、彼の家族の中では最年少だったにもかかわらず亡くなっているのだ。つまりは、私の命だっていつ終わるかなど知れたものではない。事故にしろ、病気にしろ、はたまたそれ以外にしろ——それがいつ来るのかなんて、わかりやしない。
割と年齢の近い従兄を亡くしたから、ここ最近、唐突にそう考えることが増えた気がする。そして、いっそ自分が死ねばよかったのだと考え始める。
それはきっと、彼の命を、彼の人生を、残された彼の家族を、そして、私の存在そのものを、冒涜しているとわかっているのに。
夜、暗い部屋の片隅で、悶々と考える。答えの出ない問いを、取り留めもなく。
作品No.250【2024/12/06 テーマ:逆さま】
何度も何度も、きみは僕の前に現れる。
時間も場所も選ばない。自分勝手なのは、まるで変わらない。
きみが現れるようになってから、僕は部屋の窓を厚いカーテンで塞いだ。けれど、それは意味がなかった。
そこに窓さえあれば、きみは僕の前に姿を現す。それは決まって、逆さまに落下していく姿で、しかも笑顔だった。
せめて何か言ってくれればいいのに、きみはただ笑顔で落下していく逆さまの姿を、僕に見せつけるだけだ。
もしかしたらそれが、きみなりの僕への復讐なのかな。だとしたら、もう充分だ。
「もう、やめてくれ」
作品No.249【2024/12/05 テーマ:眠れないほど】
嬉しかったんだ。眠ることと引き換えに、なんでも望みを叶えられるようになったから。
しかしそれにも、二日で飽いた。いや、苦痛になった。
眠りたいのに眠れない。真夜中になっても目が冴える。どんな音や曲も、俺を眠らせてはくれなかった。
眠れない、ただそれだけのことが、こんなにも苦しいのに。俺は今日も眠れないまま夜を過ごす。
作品No.248【2024/12/04 テーマ:夢と現実】
目が覚めて
枕元に置いてた眼鏡やスマホを手に取って
眠気に支配されたまま
布団を出る
っていう夢を見たことがある
そういうときは
また同じことしなきゃいけないのかと
現実に落胆するんだ