作品No.250【2024/12/06 テーマ:逆さま】
何度も何度も、きみは僕の前に現れる。
時間も場所も選ばない。自分勝手なのは、まるで変わらない。
きみが現れるようになってから、僕は部屋の窓を厚いカーテンで塞いだ。けれど、それは意味がなかった。
そこに窓さえあれば、きみは僕の前に姿を現す。それは決まって、逆さまに落下していく姿で、しかも笑顔だった。
せめて何か言ってくれればいいのに、きみはただ笑顔で落下していく逆さまの姿を、僕に見せつけるだけだ。
もしかしたらそれが、きみなりの僕への復讐なのかな。だとしたら、もう充分だ。
「もう、やめてくれ」
12/6/2024, 2:56:36 PM