作品No.174【2024/09/21 テーマ:秋恋】
今日もあなたは、私の元には来ないのですね。きっと、他に大切な方がいるのでしょう。そして、私のことなど、とっくのとうに忘れてしまったのでしょう。
熱く燃え上がるような恋ではなかった。それでもいいと思った。あなたと二人過ごす静かな時間が、私はとても心地よかったから。
けれど、それは強がりだったのかもしれませんね。
心地よい季節は、本当に束の間で、やがて冷えを運んでくる——そんな季節。あなたと私は、そんな季節の隙間を、共に過ごしただけだったのでしょう。そして私はきっと、それを見て見ぬふりしていただけ。
いっそ、あなたのことなど忘れられたらいいのに。それさえもできない私が、今日もあなたを待っています。
作品No.173【2024/09/20 テーマ:大事にしたい】
私の頭の中
浮かぶ言葉も
動く人も
大事にしたい
大切にしたい
私が生み出したモノだから
でも
なぜだかそれができなくて
簡単に 単純に
殺めたり
不幸にしたり
何度も何度も繰り返し
こんな私に
彼らへの愛など
あるだろうか
大事にしたいなど
戯言もいいところだ
作品No.172【2024/09/19 テーマ:時間よ止まれ】
時間よ止まれ
この夜がずっと
続いてくれるように
朝なんて
来なくてもいいように
私が
今の私のままでいられるように
作品No.171【2024/09/18 テーマ:夜景】
キラキラ輝く、夜の観覧車を見るのがすきだった。
点いていない電気が目立つようになっても、それを見れば、なんとなく安心した。
今はもう見られない、隣町の景色。
作品No.170【2024/09/17 テーマ:花畑】
花畑——を、見た記憶があまりない。
強いていうなら、小学校の職員用駐車場沿いに、タンポポやらシロツメクサやらが群れ咲いていたけれど、あれは〝花畑〟とは呼べないだろう。あとは、花壇、家の庭、鉢植え——どれも、およそ〝花畑〟とは呼べない。
一面のナノハナとか、一面のヒマワリとか、一面のコスモスとか、一面のネモフィラとか——憧れの風景だ。
もっとも、一年のほとんどが夏といっても過言ではないこの島では、そういった風景を見ること自体難しいことだろうけれど。