帰燕[Kien]

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9/21/2024, 2:39:31 PM

作品No.174【2024/09/21 テーマ:秋恋】


 今日もあなたは、私の元には来ないのですね。きっと、他に大切な方がいるのでしょう。そして、私のことなど、とっくのとうに忘れてしまったのでしょう。
 熱く燃え上がるような恋ではなかった。それでもいいと思った。あなたと二人過ごす静かな時間が、私はとても心地よかったから。
 けれど、それは強がりだったのかもしれませんね。
 心地よい季節は、本当に束の間で、やがて冷えを運んでくる——そんな季節。あなたと私は、そんな季節の隙間を、共に過ごしただけだったのでしょう。そして私はきっと、それを見て見ぬふりしていただけ。
 いっそ、あなたのことなど忘れられたらいいのに。それさえもできない私が、今日もあなたを待っています。

9/20/2024, 2:57:32 PM

作品No.173【2024/09/20 テーマ:大事にしたい】


私の頭の中

浮かぶ言葉も
動く人も

大事にしたい
大切にしたい

私が生み出したモノだから

でも

なぜだかそれができなくて
簡単に 単純に
殺めたり
不幸にしたり

何度も何度も繰り返し

こんな私に
彼らへの愛など
あるだろうか

大事にしたいなど
戯言もいいところだ

9/19/2024, 2:30:15 PM

作品No.172【2024/09/19 テーマ:時間よ止まれ】


時間よ止まれ

この夜がずっと
続いてくれるように

朝なんて
来なくてもいいように

私が
今の私のままでいられるように

9/18/2024, 2:17:29 PM

作品No.171【2024/09/18 テーマ:夜景】


 キラキラ輝く、夜の観覧車を見るのがすきだった。
 点いていない電気が目立つようになっても、それを見れば、なんとなく安心した。
 今はもう見られない、隣町の景色。

9/17/2024, 2:47:52 PM

作品No.170【2024/09/17 テーマ:花畑】


 花畑——を、見た記憶があまりない。
 強いていうなら、小学校の職員用駐車場沿いに、タンポポやらシロツメクサやらが群れ咲いていたけれど、あれは〝花畑〟とは呼べないだろう。あとは、花壇、家の庭、鉢植え——どれも、およそ〝花畑〟とは呼べない。
 一面のナノハナとか、一面のヒマワリとか、一面のコスモスとか、一面のネモフィラとか——憧れの風景だ。
 もっとも、一年のほとんどが夏といっても過言ではないこの島では、そういった風景を見ること自体難しいことだろうけれど。

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