作品No.174【2024/09/21 テーマ:秋恋】
今日もあなたは、私の元には来ないのですね。きっと、他に大切な方がいるのでしょう。そして、私のことなど、とっくのとうに忘れてしまったのでしょう。
熱く燃え上がるような恋ではなかった。それでもいいと思った。あなたと二人過ごす静かな時間が、私はとても心地よかったから。
けれど、それは強がりだったのかもしれませんね。
心地よい季節は、本当に束の間で、やがて冷えを運んでくる——そんな季節。あなたと私は、そんな季節の隙間を、共に過ごしただけだったのでしょう。そして私はきっと、それを見て見ぬふりしていただけ。
いっそ、あなたのことなど忘れられたらいいのに。それさえもできない私が、今日もあなたを待っています。
9/21/2024, 2:39:31 PM