作品No.124【2024/08/02 テーマ:病室】
今でも、時折思い出す。
母方の祖母に連れられて行った、どこかの病院。私は、おそらく祖母の手づくりなのだろうワンピースを着けていた。
薄暗い病室のベッドに、一人の痩せた老婆が横たわっていた。目を閉じて、動かない。眠っていたのか、昏睡状態だったのか。
ただ、それだけの記憶。
その老婆が自分にとってどういう間柄の人なのか、よくわからないまま今に至るけれど。
思えばあれが、私の記憶にある最も古い病室の記憶。
作品No.123【2024/08/01 テーマ:明日、もし晴れたら】
明日が
晴れだろうが
曇りだろうが
雨だろうが
仕事なのはかわらないので
私はただ
明後日の
貴重な土曜休みのために
明日も生きるのです
作品No.122【2024/07/31 テーマ:だから、一人でいたい。】
他人になんて
興味がない
他人の話なんて
どうでもいい
他人と話を合わせるなんて
めんどうくさい
だから
一人でいたい
でも
独りは苦手
めんどうくさいのは
私の方かもしれない
作品No.121【2024/07/30 テーマ:澄んだ瞳】
あれは、いつのことだったか。
美しい目のネコ様に出逢ったのだ。
まるで、美しいガラスでできたかのような、そんな目をもったネコ様だった。あまりの美しさに魅入られてしまうほど、それは本当に美しく綺麗な目だった。
あのネコ様は、今どうしているのだろうか。幸せなネコ生を、過ごしているといいな。
作品No.120【2024/07/29 テーマ:嵐が来ようとも】
あなたは嘘つきね。
「たとえ嵐が来ようとも、あなたの隣にいる」——なんて、私に希望を抱かせたくせに。
わかっていたわ、本当は。あなたが、いろんな人にそう言っていることくらいは。そういうあなたの姿、容易に想像ができるもの。
それでも、夢を見てしまったの。
こんなに激しく風が吹き荒れても。
こんなに激しく雨が叩きつけても。
あなたが、私の隣に来てくれるって、信じてしまったの。